冬を楽しむ、アップルパイ＆タルトタタン集(2ページ目)

青森産ふじを使った「ドゥ マゴ パリ」のタルトタタン。

緑のテーブルに赤い毛布がクリスマス気分を誘う「ドゥ マゴ パリ」のテラス席。少し頬がひんやりするけれど、かたわらに置かれたストーブの暖かみと心地良く耳を打つ水音が、やけに気持ちいい昼下がり。

テラス席の向こうはクラシックな店内席。

注文したのは、青森産の「ふじ」で作ったタルトタタン。ごろっと重なる大きめのりんごにフォークを入れると、干し柿のようにねっとりとした感触。オーブンで焼く前に、バターと砂糖でよく煮詰められている証拠です。口に入れると、じわじわと広がる濃厚な甘み。でもお酒を使っていないせいか、濃厚なわりにくどくなく、あっという間に平らげてしまう感じです。

おいしいのは、土台のパイ。薄いのにバターたっぷりで、甘いりんごと合わせても、その味わいは決して負けていません。

オープンから18年、最初の頃はりんごが手に入る限られた時期だけのメニューだったそうですが、青森の貯蔵施設が完備された今は、一年中楽しめる人気のひと品になっています。

＜店舗データ＞
■ドゥ マゴ パリ
所在地：渋谷区道玄坂２-24-１
03-3477-9124
最寄り駅：渋谷
HP : http://www.bunkamura.co.jp/magots/

青森産紅玉を使った「ル・ポミエ」のタルトタタン。

フランス語で「りんごの木」を意味する「ル・ポミエ」。店内に入ると、その名の通り、りんごのマカロンやりんごのゼリーが並びます。

でもやはりこの時期、目を引くのは、青森産の「紅玉」を使ったタルトタタン。２月くらいまでの季節限定品だそう。かっちり形成されているので、一見固そうに見えますが、ナイフを入れるとやわらかくりんごが崩れていきます。

私が着いた時は、ちょっとセレブな若い女性の車が３台止まっていました。

口に入れた瞬間に感じるのは、キャラメルの風味。オーブンで焼く前に、りんごをキャラメルに浸しているのだそう。その後でゆっくり前に出てくるのが、りんご本来の程よい酸味です。

ひと工夫を感じるのは、土台の分厚いビスケット。上にのせるりんごの水分で湿らないよう、接する表面にホワイトチョコレートが固められているのです。お陰で、食べ終わるまでずっとサクサク。

オーナーシェフは、「ダロワイヨ・パリ」「ダロワイヨ・ジャポン」でシェフパティシエを務めたフレデリック・マドレーヌ氏。井の頭通りに面する赤い屋根が目印です。

＜店舗データ＞
■パティスリー ル・ポミエ
所在地：世田谷区北沢４-25-11
TEL：03-3466-3730
最寄り駅：笹塚/代々木上原/下北沢
HP : http://www.lepommier-patisserie.com/

青森産ふじを使った「アメリカンクラブハウス」のアップルパイ。

タレントの西村知美さんもお好きだという「アメリカンクラブハウス」のアップルパイ。最初はアップルパイ自体が苦手だったそうですが、友人の奨めで食べてみて、お気に入りに変わったそう。「地球最後の日に何を食べたいですか？」という質問にも、ここのアップルパイと答えた逸話も残っているそうです。

ランチは地元の人や近くの学生らしき人々で賑わっています。

それは、オーダーを受けてから25分かけて焼き上げるスタイル。と、聞けば、ほわっと上がる湯気をイメージしますが、上にのせられたバニラアイスと空気を含んだ生地のお陰で、一見それほどアツアツには見えません。でも、中から出てくる青森産のふじりんごを食べた瞬間、焼き立ての意味を知るのです。

自慢は、２日半かけて折り上げる243層のパイ生地。紙のように薄く、ナイフを入れると、サクサク小気味いい音をたてて、トッピングソースに馴染んでいきます。ソースは、一番人気のブルーベリー、ラズベリー、チョコレート、キャラメル、メープルシロップの５種類。

以前、こちらのお店が「ファースター」という名で西麻布にあった頃から数えると、もう18年目になるメニューだそうです。

＜店舗データ＞
■アメリカンクラブハウス
所在地：目黒区中根２-10-１
TEL：03-3725-0787
最寄り駅：都立大学
HP : http://www.ach-web.com/

次ページも続いて、アップルパイ＆タルトタタンのおいしいお店３店をご紹介します！