プレイヤーは未知の荒野をめざす探検者である
衝撃を受けたゲームの一つ『ポラリティ』の盤上。磁石の力で駒がフワリと浮く! |
ゲームに組込まれた新しいアイデアやユニークなシステムを体験するたびに「こんなゲームがあったのか!」とその出会いに感動します。
双六屋の場合は、ロウソクを使う『森の影』や駒が宙に浮く『ポラリティ』などはそのアイデアの斬新さに度肝を抜かれた作品です。
またルール自体は単純極まりないものの、エロに特化した『ストリップチョコゲーム』などはコンセプトにインパクトがありました。レーザービームを使う『ケット』にもびっくりさせられました。
新しいゲームを遊びたい! これはボードゲームプレイヤーの強い欲求の一つです。
その一方で、同じゲームをじっくりと何度も遊ぶという楽しみもあります。
プレイヤーは一つのゲームを極めんとする求道者である
以前インタビューをさせてもらったプロフェッショナルプレイヤーの望月正行さんは、自らの競技種目であるバックギャモンのことを「耐久性のあるゲーム」と表現していました。いくら研究しても、新たな発見があり、掘り尽くしたとおもっても、なお未知の鉱脈が見つかる戦略・戦術性の深いゲーム。それが「耐久性のあるゲーム」です。
将棋や碁など、プロが存在するゲームは耐久性が高い最たるものでしょう。古から現代まで、その時代の天才たちが、一生をかけて真理を探求していますが、まだまだ底が見えません。
『カタン』『ラミィキューブ』『ケイラス』『プエルトルコ』『1980』のように、プロの競技になっていなくとも耐久性が高いゲームはいくらでもあります。
これらのゲームは1度や2度遊んだところで、そのゲームの持つ醍醐味や妙を味わうことは難しいかもしれません。
しかしそれゆえに、遊び倒すほどに、新たな局面が出現したり、あるいは今まで知らなかった最善手や戦術の発見あったりと、深い知的興奮を味わうことができます。
耐久性の高いゲームを極めてみたい。これもボードゲームプレイヤーの持つ強い欲求の一つではないでしょうか。
しかしここで立ち塞がるのが、ボードゲームプレイヤーのジレンマです→