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ボードゲームプレイヤーのジレンマ 前編(2ページ目)

プレイヤーには2つの欲求があるはずです。それは未知のゲームを「知りたい」という渇望と、一つのゲームを「極めたい」という欲望だ。しかしここにジレンマが発生する。

執筆者:双六屋 カゲゾウ


切り開くか掘り下げるか……

未知のゲームを求めて荒野を切り開いていくのか、一つのゲームに目標を定めて足元の鉱脈を掘り下げていくのか。

この2つの作業は相容れないものではありませんが、同時にできる作業でもありません。

理想は「広く深く」でしょうが、実際問題として、我々人間のもつ「時間」というリソースは有限です。

アドベンチャー人類
プレイヤーは、ゲームという大陸を探検する冒険者でもある。上記画像はカタンシリーズの『アドベンチャー人類』 
プロフェッショナルプレイヤーやゲームデザイナーであるならいざ知らず、一般の我々にとっては日常の雑事に追われ、ボードゲームに避ける時間はそう多くはないはずです。

ましてやボードゲームは一人で遊ぶものではありません。テーブルを囲むメンバーが揃わなければプレイができません。大人になってしまうと、この仲間と一緒に過ごす時間を作り出すことは簡単とはいえません。

たまに得られる貴重極まりない「ボードゲームのための時間」を開拓と発掘にどう配分するか。双六屋はこの愉しくも悩ましい選択を「ボードゲームプレイヤーのジレンマ」と呼びたいと思います。

すべてを知りたければ、一つを極めろ

このジレンマを解決するための方程式など存在しませんが、一つヒントになりそうなことはあります。


あるゲームで強いプレイヤーが、他のゲームでも強いということはよくあります。

それはルールへの理解力早さや、局面や流れを正確に把握する力、対戦者の表情や心理を読み解く観察眼、ここぞという場面で博打を打てる勝負勘など、あるゲームで培われた内面的資質が他のゲームでも応用できる部分がままあるからでしょう。

また強いプレイヤーというのは、また捨て札をすべて記憶しておくカウンティングや、表情を読ませないポーカーフェイス。相手を惑わすブラッフィングトークなど、テクニック面でも長けていることが多く、初見のゲームでも、最初から高いレベルでゲームを愉しむことできる可能性が高いといえます。

将棋の羽生さんが、チェスでもすぐれた成績を収めていることは有名です。また海外のトップレベルのバックギャモンプレイヤーが、ポーカーの大会で優勝したという例は枚挙に暇がありません。


四の五のいわずに目の前のゲームに向かえばいい

と、まあ、「ジレンマ」などと堅苦しく話を進めてきましたが、実際は、どんなゲームであれ、目の前にゲームがあればそれを一生懸命遊べばいいだけの話。

そしてゲームで勝っても負けても、テーブルを囲んだプレイヤーたちと愉しい時間が共有できたのならそれでオール・オッケー。


時たま子供たちがボードゲームを遊ばせると、それはもう集中して遊んでいます。彼らには、「未知のものを遊ぶ」とか「このゲームを極める」という思いはまだないはず。

ただただ目の前のゲームに無心に没頭している彼らの姿をみると、あれこそがボードゲームプレイヤーの理想の姿なのかなと思います。


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