夜、墓場で運動会は妖怪ばかりではない
ゾンビ界の神様、ジョージ・A・ロメロが再びメガホンを手にした『ランド・オブ・ザ・デット』が世間を賑わしています。が、ボードゲーム界のゾンビだって頑張っています。それがこいつ『オール・ウーンド・アップ!』です!ゲーム提供:オフィス新大陸 |
タイトル:オール・ウーンド・アップ!
原題:All Wound Up!
プレイ人数:2~4人
プレイ時間:30分
発売元のトワイライト・クリエーション社(Twilight Creations)は『ゾンビーズ』に代表されるように、ホラーテーマ作品を多く発表していますが、これってコメディだろ!? ってなテイストなものが多いのは気のせいでしょうか(いや、クリエーターたちはきっと怖いゲームを作ってるつもりなのだとは思いますが・・・)
しかし、今度は完全に確信犯、同社から発売されているこの『オール~』は猛烈におバカなゾンビゲームなのです!
アバウトなゾンビ人形が最高のレースを演出する
ゼンマイ仕掛けのゾンビ人形を操り、墓場の先にあるゴールを目指すいわばゾンビの徒競走、レースゲームです。同一アクションのカードをもっとも多く出したプレイヤーがビットに勝つ |
プレイヤーは手札のカードを使って、全員でビット(競り)を行ないます。
カードの内容は「ネジを3回巻く」「左ターン」「右ターン」などゾンビに施すアクションにまつわるもの。競り落としたプレイヤーがそのアクションをゾンビ人形に行うことができます。
しかしそんな瑣末なことはどうでもよいのです。兎にも角にもこのゲームのキモはゾンビ、このゾンビ人形なんですよ!
ネジを巻いてボード上にゾンビをリリースしてやると、キシコー、キシコー、キシコー・・・と緩慢に歩いきます。が、しょせんおもちゃレベルのゼンマイ人形なので、個体ごとにおもいっきり癖があります。
いつも右方向にずれてまっすぐ進んでくれないゾンビや、ゼンマイを使い切って歩みを止め(あれ?死んじゃったかなたのかなと思いきや) 再び思い出したように動き出したりするゾンビなど、メカニズムが精密でないがゆえのアクシデントが続出です。
「えっほ、えっほ、おーい先頭ゾンビ、待ってくれぇ~!!」 |
が、待ってください。これはけなしているわけではありません。これらの予想不可能な動きの全てがゾンビのレースというテーマにぴったり合致しています。ダルダルなゾンビの歩みは、本物のゾンビを彷彿とさせます。
ユーモラスなゾンビ人形の造型とあいまって、そこに醸し出されるB級ホラーむんむんの雰囲気に、全プレイヤー爆笑で転げまわること必死です。とにかくゼンマイ人形のゾンビの動きがあほっぽいなんのって!
おまけにゾンビが密集していると、人形同士の衝突によって進行方向はぐちゃぐちゃ。さらにレースをハチャメチャなものにします。
1アイデアだけでゲームを成立させてしまう力量に脱帽
いや、むしろ苛烈な出世レースで多大なストレスを抱えて、自身がゾンビのようになっている現代人にこそ、このゾンビレースのあほらしさで癒されてほしいものです。
ゼンマイ人形にレースをさせるという1アイデアだけで成り立っているこのゲーム。このあたりの力技にアメゲー(アメリカ産ゲーム)のスゴサとバカサにつくづく脱帽です(いや、誉めてますってホントに)。つうかこのゲームのゾンビ人形かわい過ぎっ!
本日の関連・参考サイト
「お化け・ホラー」をキーワードにしたオールアバウト関連記事・ゾンビ包囲網を脱出せよ!(押し寄せる100体のゾンビ!)
・完全復刻!「おばけ屋敷ゲーム」(なつかしのゲームが復活)
・死を呼び込む不吉なゲーム(ガイド記事)(呪われた手、盤面とは)
・思わず絶叫のオバケゲーム(ガイド記事)(親子で楽しめるお化けゲーム)