土佐のベク杯を舐めたらあかんぜよ!
酒好きの県数あれど、友人知人の話を総合してみると土佐の酒好きは突出しています。
かの地のある披露宴でのこと。この結婚式は真冬に行なわれたにもかかわらず会場の窓は全開。それどころか出席者の多くが上着を脱ぎ、中には上半身裸の人まで。理由は壇上にあるほとんど空になりつつある酒樽5つ。アルコールが体にまわり皆真っ赤。熱いはずです。あ、作り話ではなくこれ土佐人から聞いた話ですから。そんな土佐で売っているのがこのベク杯
たとえばこれはベク杯の中でも三面杯とよばれるもの。おかめ、ひょっとこ、天狗は全て盃になっており、参加者は順番に駒を回し、これが倒れたときに軸が向いていた人が上面に示されている杯で酒を飲みます。え?さっきの枡酒遊びとあんまり変わらんじゃんか、と。
甘い、甘すぎる。ベク杯の何たるかをわかっていませんね。ひょっとこの口の部分よ~く見ていただきたい。米粒ほどの穴が空いていることにお気づきでしょうか。これこそベク杯の真骨頂。酒を注いでもらうときは指でこれを塞ぐように持ちます。ええ、つまり酒を完全に飲み干すまでは杯を置くことができないこいうことです。
また天狗杯ですがその鼻の先まで空洞です。他の杯などよりも数段たっぷりお酒が入ります。しかも形状的にこれまた飲み終わるまでは杯を置くことができないという按配。
酒好きにとっては夢のような、下戸にとっては悪夢のようなこのベク杯。両方が交じってこの遊びをすると、下戸は天狗がでやしないかと恐る恐る駒をまわし、呑んべいはおかめが出たらどうしようとヒヤヒヤしながら回します。
三面杯にはいっていた説明書によるとベク杯とは可杯という字があてられ、その由来は漢文において「可何々」とかいて(何々すべし)という表現になり、この「可」という文字が下(文末に)くることがありません。このことから下に置けないこの杯を可杯と呼ぶようになったということです。
ベク杯は土佐の特産品ですから、この地のお土産センターに行けばどこでも簡単に手に入ります。恐るべし土佐の酒豪文化!
あ、最後に申し上げますがお酒は自己責任で楽しく飲みましょう。絶対に無理な呑み方はおやめください。いやほんとに。
【参考・関連サイト】
・讃岐土佐うまい酒うまいもん探訪(日本酒・焼酎ガイド 友田さんの記事)
・土佐の山中に育つ褐毛の極上和牛(直産品ガイド 萩原さんの記事)
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