「過去最高」とは言うけれど……

今年も「東京ゲームショウ」が開催されました。WiiやPS3、Xbox 360といった各社の最新ゲーム機が出そろって初めてのゲームショウとして注目が集まり、過去最高の約19万3000人の来場者数を記録したようです。

「過去最高」と聞くと、いかにも大成功に終わったようです。事実、年1回開催となった2002年以降、6年連続で「過去最高」を更新し続けています。とりわけ、(ニンテンドーDSが発売される以前の)2002年~2004年は、いろんなメディアで「ユーザーのゲーム離れ」が取り沙汰されていた時期でしたから、その状況下でも来場者数が増え続けていた点においては大成功でしょう。

開催年
総来場者数
2007年
19万3040人
2006年
19万2411人
2005年
17万6056人
2004年
16万0096人
2003年
15万0089人
2002年
13万4043人
(※数字は東京ゲームショウ公式サイトより)

……しかし、今年の「過去最高」は、これまでとは明らかに異なります。下の表をご覧いただければお分かりいただけるかと思いますが、今年の東京ゲームショウは初めての4日間開催になったにもかかわらず、来場者数は700人弱の増加にとどまっています。一般の方が入場できる22日・23日の来場者数を比べてみると、なんと2万人以上も減少しているのです。

日程
東京ゲームショウ
2007
東京ゲームショウ
2006
ビジネスデイ初日
(木曜)
2万9783人

(ビジネスデイ開催は金曜のみ)
ビジネスデイ2日目
(金曜)
3万2390人
3万9645人
一般公開初日
(土曜)
6万4795人
8万4823人
一般公開2日目
(日曜)
6万6072人
6万7943人
総来場者数
19万3040人
19万2411人
(※数字は東京ゲームショウ公式サイトより)

東京ゲームショウは、誰もが認める「日本最大」のゲームショウでした。しかも今年からは、アメリカのゲームショウ「E3」が規模を縮小したため、東京ゲームショウはE3に代わって「世界最大」のゲームショウになりました。にもかかわらず、一般の来場者数が減ってしまった原因は一体どこにあるのでしょうか。

東京ゲームショウの課題、そして期待


以前から、東京ゲームショウの問題点はいくつか指摘されてきました。

第一に、来場者への「おもてなし」。

せっかく入場料を払って来てもらっているのに、ほんの数分の試遊のために何十分も(人気ゲームになると何時間も)待たせることが恒例のようになっています。ブースの各所にモニターを設置するなどして、待っているあいだに映像を観られるようにするなどの工夫はされていましたが、それも不十分なブースも少なからずありました。PS3が初出展された昨年の殺人的な混雑ぶりに比べると、今年はだいぶ緩和されたようですが、そもそも来場者数が減っていたのであれば、それは「改善」というよりは「必然」の結果ですね。

また、ニンテンドーDS初の無料体験版ソフトを配布するとあって注目を集めたレベルファイブのブースでは、あまりに多くの来場者が殺到したため対応しきれず、多くの来場者が体験版ソフトを受け取れないという事態が起きました。おかげでネットオークションでは「レアもの」として高値で転売されている始末です。本当に欲しかった人の手に、体験版ソフトを届けきれなかった点はレベルファイブとしても大変残念だったことでしょう。是非、この反省を次回に活かしてもらいたいです。

そして第二に、「開催形態」の問題。

東京ゲームショウは、その名のとおり関東・幕張メッセが開催地です。関東から離れた地域に住んでいる人にとっては、なかなか遊びに行きづらいという問題もあります。この点が、任天堂が東京ゲームショウに出展しない理由のひとつとも言われています。任天堂は「全国各地」で、しかも「入場無料」で独自のイベントを開催(ニンテンドーDSの体験会Wiiの体験会など)することで、わざわざ関東まで遠出はしたくないけど近所なら行ってみるか……というライトユーザー層の関心を引き出してきたわけですね。

……ここで言いたいのは、東京ゲームショウも任天堂イベントのようにライトユーザー向けの開催形態にするべき、ということではありません。むしろ、ゲーム離れが囁かれていた時期にも東京ゲームショウに来てくれていたような「ゲームファン」をもっと大切にするべきではないか、ということです。その開催形態ゆえに「ライトユーザー向け」とは言いがたい東京ゲームショウですが、だからこそ「ゲームファン向け」であることに存在意義がある、とも言えるのです。

昨年は、PS3の初出展や、多数のニンテンドーDSソフトの出展などもあって多くの来場者が集まりましたが、昨年はあまりに混雑していたゆえに、今年は来場を控えてしまった人も少なくないかもしれません。来場してくれた人に快適に楽しんでもらえるような環境作りを、主催者側にも、メーカー側にもさらに期待したいところですね。

 



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