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喫茶店はお茶屋さんを駆逐するか(2ページ目)

mixiに代表されるSNSで遊べるゲーム、ソーシャルゲームが最近とても人気があるようです。既存のコンシューマーゲームは、ソーシャルゲームに駆逐されていくのでしょうか?

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

ソーシャルゲームは喫茶店

サービスとしてお茶を提供するのが喫茶店。ソーシャルゲームも、物を売るのではなくサービスとしてゲームを提供します。お茶屋さんに比べると、喫茶店は気軽です。何しろ、すぐにお茶やコーヒーが飲めますからね。急須もコーヒー豆も買う必要がありません。お茶やコーヒーを飲むための仕組みはお店側が持っていて、お客さんはそれをサービスとして利用することで楽しむことができます。

この、お店側が提供する仕組みをサービスとして使うというのがソーシャルゲームの形です。ソーシャルゲームでも、PCや携帯電話などのハードウェアは必要になりますが、それはソーシャルゲーム専用のものではありません。インターネットの世界をぶらぶらしていたら、ゲームができるところがあったから、ちょっと暇つぶしに遊んでみた、気に入ったから足しげく通うようになった、というようなものです。街をぶらついていて、ふらっと喫茶店に立ち寄るのとおんなじですね。

提供しているのは居場所

喫茶店がお客さんを集める時に、入りやすさや居心地のよさ、みんなが集まれる場所にある、というような味と関係ない部分が重要になることが多いのも、サービスの本質が居場所であるからです。喫茶店にしたって、美味しいお茶を出した方がいいにきまっていますが、お客さんが必ずしもそれを求めていきているかというと、実はそうではないですよね。暇つぶしにきたり、誰かとおしゃべりする場所だったりとか、ついでに、お茶やコーヒーを飲んでいることの方がもしかしたら多いかもしれません。喫茶店は飲み物を飲む場所、と思うかもしれませんが、それは実はお金を稼ぐ手段です。サービスの本質は居場所の提供でしょう。

ソーシャルゲームも同じで、サービスの本質はSNSです。ソーシャルネットワークによるコミュニティ、つまりインターネットの中の居場所です。そこにお金を儲ける手段としてゲームというサービスを提供したら、気軽に遊べて、これは暇つぶしにもなるし、コミュニケーションツールにもなるしで、とても相性がよいんです。

一方で、お茶屋さんに来る人は、お茶が飲みたい人だけです。別にお茶は飲まなくてもいいんだけど、という人は買う必要がありません。ペットボトルのコーラでいいのなら、自販機で買って飲めばいいわけですから。

つまり、コンシューマーゲームを買う人はゲームが遊びたい人ですが、ソーシャルゲームを遊ぶ人は必ずしもゲームが遊びたい人ではないということです。

コンシューマーゲームとソーシャルゲームは同じゲームを扱っていながら、全く違う存在です。そして両者は、対立することなく共存することができるかもしれません。
喫茶店の図
喫茶店でおしゃべりをする図
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