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PSP goが抱える不安と未来への布石(2ページ目)

いよいよ2009年11月1日に発売されるPSP go! しかし、PSP goには、まだ解決するべきたくさんの不安要素もあります。PSP goの抱える問題点と、そこから見える未来をお話します。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

不安2 価格差1万円のインパクト

PSP-3000とPS3両方の値下げによって、結果的にPSP goはPS3に近い価格帯のハードになってしまいました。2009年9月24日から27日に渡って開催された東京ゲームショウで、PSP-3000のグッドニュース、PSP goにとってはバッドニュースが発表されました。それは、PSP-3000の値下げです。PSP-3000は10月1日より、それまでの19,800円から3,000円値下げされて16,800円で発売されています。これでPSPはニンテンドーDSiの18,900円を下回ることになりますから、相当買いやすくなった感があります。

しかし、価格差が強調されてしまったのがPSP goです。PSP goの価格は26,800円。丁度1万円違うわけです。1万円はやっぱり大きいですよね。さらに言えば、いまやPlayStation3(以下PS3)が29,980円で買えてしまいます。PSP-3000は1万円安く買え、3,000円も足せばPS3が買えるとなると、どうしてもPSP goの26,800円は高く感じます。

もちろん、このことに対して全く何のケアも無いわけではありません。PSP-3000の値下げに際して、PSP goについては、いくつかのソフトから1つを選んでを無料でダウンロードすることができるキャンペーンが実施されます。しかし、選べるタイトルは全てPSP the Bestのもので、正直言ってちょっと旬を過ぎてしまったタイトルに感じます。こういうものは、その時ユーザーが欲しいゲームでなければあまり大きな効果が期待できません。価格差のインパクトが拭えるかと言うと、難しいかもしれません。

この、1万円差のインパクトが、2つ目の不安です。

不安3 小売店の反発

商品というのは、必ずしもメーカーの力だけで売れているわけではありません。お客さんの目に触れる現場がどうであるか、というのは大きな問題です。最後、3つ目は小売店の反発です。PSP goは、ソフトを購入する時にオンラインで販売します。すなわち、お店でゲームが買われないということです。また、お店にとってもう1つ重要なのは、中古市場が無いということです。PSP goでゲームを買うということは、パッケージは存在せず、メモリの中にデータとして保存されます。よって1度買ったゲームをお店に売ることはできませんし、中古の売り買いも基本的に存在しません。

ゲーム業界は、新品商品の利幅が非常に低い業界です。多くのゲームショップは中古による利益によってお店を支えている部分があります。さらに言えば、ハードは、ソフトに輪をかけて利幅が少ない業界です。場合によっては赤字で売っていることすらあります。ほとんど利益の無いハードを売って、少ない利益の新作ソフトを売って、その後中古を回して、それでお店が成り立ってるんですね。そう考えた時に、お店でゲームを買われる機会が減り、中古市場も存在しないPSP goは、単純な利益面では売る理由があまりありません。

ガイドがいくつかのお店の方にお話を伺うと、わりきってお客さんの為に売る、というお店もあれば、キッパリ売らない、というお店もあるようです。商品を売る時に、お店に並べられるということはとても重要です。お店に並ばないものは売れません。また、お店に並んでも、積極的に店頭展開がされて売られるか、ただ並ぶかでも大きな違いがあります。これが、3つ目のPSP goの不安です。

成功するには数々の壁を乗り越えなければいけないPSP go。エンターテイメントの業界は何があるか分かりませんから断言はできませんが、売上げ的に成功を収めるのに、困難な状況があることは否めません。しかし、ガイドはそれでもPSP goというハードの存在意義は大きいと考えます。
新型PS3の図
PSP goで悩む店員さんの図
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