マルチメディアハードとして進化するPSP go様々なデジタルコンテンツを気軽に持ち運べるハードで、新しいデジタルライフスタイルを提案するとして、PSP goは発表されました。iPhoneやiPod touchがゲームハードとして完成度を高めるアップデートリリースした半月程前、2009年6月2日から開催されたアメリカのゲームイベント、Electronic Entertainment Expoで新型PSPのPSP goを発表しました。このPSP goは、PSPをゲームだけでなく、音楽や動画も楽しむマルチメディアプレイヤーとして進化させたハードでした。UMDは廃止され16GBのフラッシュメモリを内蔵、パッケージ販売ではなく、オンラインでのダウンロードによるコンテンツ販売を基本にします。同梱されるMedia GoというPC用ソフトは、iPodにおけるiTunesにも似たコンテンツ管理ソフトで、これを使うことでPCで管理した音楽や動画、そしてゲームをPSPに転送して使うことができます。コントローラー部分をスライド式で液晶の裏側に格納することで本体もぐっと小さくなって、iPhoneやiPod touchに近い大きさになりました。【関連記事】PSP goの発表に欠けていた大切なもの(AllAboutゲーム業界ニュース)iPod touchやiPhoneがゲームハードとして足りてなかった部分を補ったのとは逆に、PSP goは、PSPが今までマルチメディアプレイヤーとして足りていなかった部分を補うかのように調整されたハードです。あなたのポッケを狙うためユーザーのポケットという限りある空間の中に入って、全てのエンターテイメントを常に提供し続けるのは誰なのか、というポケット争奪戦が始まっているようです両者に共通しているのは、音楽や動画や写真、そしてゲームなど、あらゆるデジタルコンテンツを取り込んでいこうとしているところです。これさえあれば、あらゆるエンターテイメントが楽しめ、他に何もいらないという製品。その為にはiPod touchやiPhoneはゲームをカバーする必要がありますし、PSPは音楽や動画をカバーしていく必要があります。何故そんなことをするのでしょうか。その先には大きなコンテンツビジネスがあるからですね。アップルは既にコンピューターだけの会社ではなく、ミュージックプレイヤーだけの会社でもなく、巨大なコンテンツ配信企業になっています。iTunes StoreやApp Storeという、膨大な量の音楽やゲームをオンラインを通じてユーザーに届けることで利益を出す構造を作り上げています。かつて、SCEやマイクロソフトがゲーム業界に参入した時に、その狙いはリビングである、という話がありました。家族が集まるリビングに置かれる製品を作り、そこからあらゆるコンテンツをコントロールする、リビング争奪戦です。しかしいつの間にかゲーム機の主流は据置機から携帯機に移り、主戦場もリビングからうつっているのかもしれません。ユーザーのポケットに入る唯一の製品となるべく争う、ポケット争奪戦へと。今後さらに激化していきそうなポケット争奪戦。一体何が勝利のカギとなるのでしょうか。前のページへ123次のページへ