Wiiスポーツは面白いから売れたのか?

マリオカートWiiの図
Wiiハンドルで初心者でも遊びやすくなったマリオカートWiiも、みんなで遊ぶ為に買うファミリー層がたくさんいるのではないでしょうか
ゲームが1人で遊ぶものではなくなり、あるコミュニティで共有するものになった時、ゲームの価値が少し変容する傾向が見られます。Wiiスポーツというゲームが何故売れたのかを考えると、そのことが少し分かります。

Wiiスポーツは皆さんご存知の通り、Wiiリモコンをラケットに見立ててテニスをしたり、ゴルフクラブに見立ててゴルフをする、Wiiの看板タイトルです。今までにない斬新且つ直感的操作で大人から子供まで広い層のユーザーに売れました。しかし、一方でにコアなゲームユーザーには、不満を持つ人もいました。それはゲームとしてはあまりにシンプルすぎるということです。確かにWiiスポーツは1人で10時間、20時間とやり込むにはちょっとシンプルすぎるかもしれません。

ですから、多くの人は1人でやり込もうと思って購入していないんですね。冒頭でご紹介した例のように、誰かと遊ぶことを前提に買うわけです。そうすると、ユーザーが想像するのはゲームの面白さではなく、このゲームをどんなコミュニティと共有できるか、ということになります。つまり、家族なのか、同性の友人なのか、異性とのコミュニケートに使えるのか。そこで始めて、ユーザーにとってのゲームの価値が決定することになります。ゲームはあくまでもツールであり、主役はコミュニティであるわけです。

オンラインゲームに課金し続ける人たち

オンラインコミュニティの図
オンラインゲームをやるプレイヤーには数千円から数万円をアイテム課金に使う人もいます。新しいパッケージのゲームが買えてしまいますが、またそれとは価値が違うのです
コミュニティがゲームの価値を決定付けるという話は、オンラインゲームの世界だとより顕著になります。オンラインゲームのビジネスモデルに、プレイヤーがゲーム内のアイテムをお金で買うアイテム課金という方法があります。パソコン用オンラインゲームには、ゲームそのものは無料でアイテムでのみ課金するというものが珍しくありません。

オンラインゲームをやらない人は、例えゲーマーであってもゲームのキャラクターに着せる衣装などに現金を払うのは抵抗があるという人もたくさんいます。アイテム課金は物質的なものは何も残らず、定額課金制や従量課金制のようにサービス運営にお金を払っているわけでもありません。無料で遊べるのに、どうしてわざわざお金を払ってアイテムを買うのか、という意見はある意味でもっともなのかもしれません。

しかし、オンラインゲームには、プレイしない人にはなかなか分からない価値があります。それこそが、コミュニティです。オンラインゲームの世界で冒険をしているうちに、そこで友達と出会い、ゲームの中でコミュニティが形成され、コミュニティが価値の本質になっていきます。オンラインゲームにはまるユーザーには、ゲームの中に友達がいるからやめられないという人がたくさんいるのです。新しい衣装や、強い武器は、このコミュニティをより活発に、楽しくするコミュニケーションツールの役割を果たします。そういう意味では、アイテムに課金をするのは実は理にかなっていると言えます。

ゲームを遊ぶのは無料なのに、アイテムにお金を払うのは、やはり、ゲームの中身よりもコミュニティが価値として認識されている部分があるように感じます。それは逆に価値の高いゲームを作るということは、価値の高いコミュニティを作ることだとも言えるかもしれません。