仮想世界で手に入れたものは、あなたのもの
アバターは自分の好きなように作ることができます。似せて作ってもいいですし、願望を形にするのも思いのまま |
しかし、セカンドライフでは、利用規約書の中で明確に、ゲームの中でユーザーが生み出したデジタルコンテンツ、例えばアバターと呼ばれるプレイヤーキャラクター、作り出すことの出来るアイテム、そしてそれを制御する為のプログラムなど一切について、全てユーザーに知的財産の所有権があると示しています。しかも、それを私的利用するのも、商業利用するのも問いません。つまり、ゲーム内であなたが作った物をあなたが誰にあげようと、売ろうと、自由であるということです。
ゲームのお金が、現実のお金に
上記とあわせて、セカンドライフのもっとも特徴的な仕組みのひとつが、ゲーム内通貨を換金できると言う点です。セカンドライフの仮想世界の中ではリンデンドルという単位の通貨が使われます。ゲームの中で仮想の通貨が使われるのは、セカンドライフに限ったことではありません。ほとんどのMMORPGは仮想通貨を使い、ユーザー同士がゲームの中で売買をし、ゲーム内経済が生まれます。しかし、それはあくまでゲームの中での話です。セカンドライフでは、ゲーム内に設置されたATMを使って、ゲーム内の仮想通貨であるリンデンドルを、現実のお金であるアメリカドルに換金することができます。先ほど、このゲーム内で作ったコンテンツは全て、プレイヤーに知的財産権があるとご説明しました。つまり、このゲームの中で、例えば可愛い帽子を作ったのなら、それはゲームの中ではもちろんのこと、現実世界のルールにおいても、あなたの知的所有物ということになります。そしてそれを誰に売ることも自由であり、そうしてゲーム内の仮想通貨であるリンデンドルを得るということは、あなたが現実にお金を手にしたということになるのです。
音楽ライブをやって入場料を取ったっていいですし、お店をやったっていいんです。現実の世界と同じように、知恵を絞って何か価値を生み出せばそれはあなたの所有物であり、そしてビジネスをすれば、それはそのまま現実のお金になるのです。
このゲーム内で、開発メーカーであるリンデンラボ社はゲーム内で生み出されるデータの知的所有権を放棄すると同時に、全てのユーザーに限りない可能性を与え、現実と仮想世界を交差させる仕組みをつくることに成功したのです。
こうして現実と交差するこの仮想世界は、多くの一般ユーザーだけでなく、企業や、政府までも巻き込んでいきます。