何がコアゲームで、何がカジュアルゲームなのか
「今はカジュアルゲームがブームだから、ゲームらしいゲームが売れない」という文脈の話を聞くたび、筆者は違和感を禁じ得ない。それは果たして遊び手にとってのコア、カジュアルという分類だろうか?
メーカーは(またはアナリストは)、時間と予算をかけたものをコアゲーム、手軽に作ったものをカジュアルゲームと考えてはいないだろうか?
そしてメーカーはカジュアルゲームを「手軽に作ったゲーム」と勘違いして、「カジュアルゲームでも売れない」と嘆いていないだろうか?コアゲームを「予算をかけて圧倒的グラフィックで作りこんだのに売れない」と嘆いていないだろうか?
最近のゲームはどんなユーザーに、何人で、いつ、どれくらいの時間をかけて、どれくらいの期間遊ばれるものかというコンセプトデザインが甘い気がしてならない。
国内パブリッシャーが海外向けタイトルを開発するのは、マーケティングリサーチの上でどうしても限界がある。見えないユーザーに向けて開発していてヒットしないのは、もはや当然の事のように思える。
ライバルいっぱい
現状、ゲーム業界は混迷している。据え置きゲーム機はWiiのひとり勝ち、それに対しPS3とXbox360がハイデフィニション(HD)ゲームで市場を確保する。携帯ゲーム機は元気が良く、海外ではDSiのみが好調。PSPは国内でかなりの強みを見せている。iPhoneによるゲーム販売も無視出来ない。
そんな中、PS3のポジションはどうなるのだろうか?
SCEはモーションコントローラを秋までに発売すると発表しているし、今年中に3Dゲームにも対応するとしている。
どちらもゲームの裾野を広げるには面白いが、普及するにはコンテンツの魅力が必要なのは特筆するまでも無い。
コアゲームかカジュアルゲームかという分類以前に、ユーザーの顔が見えているタイトルかどうか、そこがヒットの分かれ目になるのではないだろうか。