個人的には「WEB2.0」のキーワードが久夛良木社長の口から語られた割には、ユーザーを結ぶ要素が弱いなぁと言う印象を持ちました。
フレンドリストだけをもってWEB2.0的と言うには物足りないですよね。
体系化されたネットワークサービスで、ユーザーが構築していくことこそがWEB2.0とするのであれば、エンターテインメント性に優れたSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)的な存在が欲しいところ。
もちろんその辺もアップデートで対応される…???
と言うわけで、今回の発表では特に触れられなかった「PS3のアップデート」こそが真に重要なネットワークサービスではないでしょうか。
発売直前に発表されたPS3のネットワークサービス。
筆者が指摘した「ユーザーを結ぶ要素」は『PlayStation Home』というバーチャルスペースによって補完された。
それも含め、PS3は発売後からアップデートにより驚異的なまでの進化を遂げた。
どんどん乖離するユーザーとアナリスト
PS3発売前お会いしたあるライターさんは「加藤さん、次の記事は『なぜPS3は失敗したか』でどうですか?」と笑いながら言った。筆者の知る限り、PS3は苦戦するだろうというのはもはや確定事項だった。
しかし当時のアナリストの予想はPS3に対して楽観的なものが多く、とてもここまでの長期戦にもつれ込むとは思えないものばかりだった。
そして実際には、多くの人が予想するよりもさらなる苦戦が続くことになる。
PS、PS2で帝国を築きあげたSCEIに対して「まさか」の思いが強かったのである。まさか、ここまで苦戦するとは思わなかったというのが筆者の思いだ。
逆にそこまでの苦境に立たされながらも400万台の本体を販売し、『ファイナルファンタジーXIII』で初週150万本を売り上げるというところまでを予想した者も少ないだろう。
この先国内においてPS3の市場がどのように育つか、まだまだ目が離せそうにない。
この反省会、「PS3発売後編」に続くのでお楽しみに。