アナログ→デジタル→3D
数十年付き合ってきたアナログ放送だが、当面これで十分という視聴者も多いことだろう。だがデジタル化は世界的な動きであり、国内では十分な準備時間も設けられ、このまま行けば大きな問題もなく移行する。
しかし世の中のコンテンツがハイビジョンになったところで「次は4k2kですよ」「3Dですよ」と言われると「ちょっと待ってよ」と言いたくなってしまう。
コンテンツとしての3Dに対して、劇場側の期待は大きい。
ディズニーランドの『ミクロアドベンチャー』のようなアトラクションが全国のシネコンで楽しめるというのは、これはちょっとした事件だった。いち早く3Dが盛り上がりを見せる北米では、興行収入の上でも3Dシネマの方が有利な状態にある(『アバター』初登場一位)。
それを家庭で、というのは時期尚早な感じを強く受けるが、現在主流の3DCGで構成されたゲームと3D映像の相性の良さを考えると当然の成り行きなのかもしれない。
3Dとゲーム
思えばファミコン時代には『とびだせ大作戦(1987年)』というゲームが有った。『スペースハリアー』をインスパイアした3Dシューティングで、赤と青のセロハンが貼られた特殊メガネによりまさかの3Dモードに対応するという画期的な作品。筆者はこの作品が大好きだったが、3Dモードで遊んだ記憶は殆どない。見にくいから。
その後ファミコンに3D用の周辺機器『ファミコン3Dシステム』が登場するが普及せず、さらに1995年に満を持して3D専用ハード『バーチャルボーイ』が登場するも、早すぎる英雄は支持されることなく姿を消した(しかし全体で見れば経常利益を出しているという話である。さすが!)。
今年開催された東京ゲームショウ2009ではPS3タイトル『WipeOut』の3D版がプレイアブル出展され、その迫力はかなりのものだったらしい。超えなければならないハードルは高いが、まさにリビングがテーマパークになる!的な発送で見ればかなり魅力的なコンテンツとも言える。
個人的には「3D対応テレビに買い換えてください」というよりは、「3D対応プロジェクタを買い増してください」という方が映画ファンには訴求力がある気はする。そちらの方の盛り上がりも期待したいところだ。
相性がいいようで普及のチャンスに恵まれなかった3Dゲーム。
来年は「3Dゲーム元年」となりうるのだろうか。
今回のメールマガジンでは知る人ぞ知る「あの」3Dゲームを紹介。