専門店の生きる道
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イベントなど、地域密着で色々なサポートが可能な自由度?
「一応それらも強みとして挙げられるかもしれませんが、現状、いずれも「強み」として機能してないと思います。
確かに、当店を頼って購入の相談や購入後の質問に来られるお客様も一定数はいますが、『相談はゲーム屋にするが、買うのは量販店で』という感じの方のほうが多いようです(ゲームショップ経営者)」
ちょっと耳を疑う話だが、量販店で購入した商品を専門店で相談すると言う消費者もいると言う。ゲームショップ店員も「質問だけされて帰られたりとか、最近では、他店で購入したゲーム機の修理依頼をしに来店する人が本当に多いです」と口を揃える。
「いやらしい話ですが、ここで丁寧な対応をして常連さんになって欲しいのが本音です。
しかし、それだけでは常連さんになってもらうには弱く、かと言って来店した時に店内を見てくれるだけで訴求できるもの(品揃えや価格など)が大型店には負けている部分が多いため、人件費というコストだけがかかっている作業なので利点とは呼べないものです(ゲームショップ店員)」
価格とサービスのいい所取りをされては、売り上げに結びつかない専門店はたまったものではない。経営者は閉店も視野に入れていると言い、諦観すら漂わせていた。だが店員は、まだ出来ることがあるはずだと言う。
「うちの店の例になりますが、そういった大型店の出店が相次いでいることも知っていながら無策で日々を過ごしています。
チラシなどの物量でも圧倒的に有利な相手に何もしない。
同量のチラシ配布は無理だとしても、ローコストでもっとできることがあるはず(ゲームショップ店員)」
確かに、専門店側の努力不足を指摘する声も多い。
コストで競争できないのであれば、他の点で勝負するしかあるまい。
素人の考えで恐縮だが、これからは従来の枠に捕らわれない、より個性重視の店舗が生き残るのではないかと思う。
特定のジャンルにこだわる、より知識の豊富な“ゲームソムリエ”を育成する、大型複合店にはマネの出来ない狭い分野の複合店を目指す…。
消費者が我侭なのは当然の話だ。
その我侭にどうアプローチするか、それが専門店の生き残る道なのだろう。
筆者としても、気軽に質問に答えてくくれる専門店にはなくならないでいて欲しい。ふと立ち寄って中古ソフトを選んだり、複合店では置いていないような周辺機器が置いてあったり。そういった専門店の良さは残っていて欲しい。
その願いから今回の記事を決断した。
取材に快く応じてくださった経営者、店員、消費者の皆様にはこの場を借りて厚くお礼を言いたい。また、この記事を持って激励と代えさせていただく。