ファミコン世代(団塊ジュニア)+その子供たち
家族で遊べるゲーム機、Wii。本当に偉大な製品である。 |
「専門店はゲームを売ることでしか利益を取ることができないので、電気屋やレンタルショップなどと同じような方法では安い価格に設定できません。
ですから、価格で購入店を決める傾向の強いライト層のお客様に対して訴求もできませんし、その客層を取り込むこともできないため、売り上げが下がる結果になっています(ゲームショップ店員)」
家庭用ゲーム機普及の立役者といえるファミリーコンピュータは、1983年に発売されている。いわゆる「ファミコン世代」は団塊ジュニアとも被さり、現在では30代を越えるあたりが該当する。
家庭を持ち始め、中には小中学生の子供を持つ親たちも少なくないだろう。
そこで、子供たちには新しく、親たちにとっては懐かしいという絶妙なゾーンをターゲットとしたWii、DSが大躍進を遂げたと筆者は考えている。
Wii、DSのターゲットは家族であり、ライト層=ファミリー層と言い換えることが出来る。
そこで「家族が立ち寄る先」としての家電量販店、大型複合店とゲームユーザーのライト層が見事に合致するのである。
「ゲームは主にスーパーとかで購入します」と、ある主婦は語る。
「子持ちになると子供をつれて外に遊びに行くこと自体がイベントになるので、複合店は凄く都合がいいんです(主婦・女性)」
購買層の変化が購入先のシフトを起こし、結果として専門店の窮地を招いたというのは短絡的な分析だろうか?
Wiiが世界を変える
バンダイナムコ、セガの両社が決算報告で、赤字の原因をWiiと説明したのも記憶に新しい。asahi.com:ゲーセンに逆風 大手、店舗閉鎖相次ぐ
実際それほどまでにWiiの影響力は強いのかは疑問だと、ゲームショップ経営者は首をかしげる。
「Wiiが爆発しているとはいえ、まだ国内500万台です。
全国各地のゲームセンターの売上・来客数に、はっきり数字に表れるほどの影響力があるとはとても思えません(ゲームショップ経営者)」
筆者個人の意見を言えば、昨今閉店を強いられているような小型店舗はWiiのユーザーとは被らない。むしろ家族で遊ぶような大型店舗が賑わっているように感じる。
が、両メーカーは少なくともそれを株主が納得できる理由として提示するだけの根拠はあると判断したのだろう。
Wiiボードの登場で全国のフィットネスが大打撃を受ける、などという話になったら大変なことである。
さて、前回の記事と今回で専門店の現状を紹介した。
われわれ消費者にとっては専門店は選択肢の一つに過ぎず、自然競争の上で淘汰されるのであれば仕方がないと言えるだろう。要は「客層のシフトについていけていないだけの話」なのである。
しかし、今後のゲーム業界を占う上で無関係とはいえないのが「売れるソフトの一極化」だ。