家電量販店、大型複合店の台頭
レンタルショップとの併設、家電量販店などの扱いが急増している |
「厳しい状況が続いています」と語るのはゲームショップ経営者である。
「ゲームを扱う量販・複合店の出店ラッシュも止まりません。
専門店の閉店も増えているようです(ゲームショップ経営者)」
「家電量販店や大型複合店が多くなってきたことで店の売り上げが下がったのは確かに感じます(ゲームショップ従業員)」
改めて聞くと、やはり専門店離れは深刻なようだ。
以前はユーザーと店員とのコミュニケーションの場でもあった専門店が減っていくのはなんとも寂しい話だが、しかし、何故閉店まで追い込まれているのだろうか?
大きな原因であるという量販店、複合店の台頭の背景を聞いてみた。
知名度、資金力、多角経営の強み
「圧倒的な知名度=集客力と資金力が強みです。専門店ならまずやらないような強気な仕入れも行いますので、
新品商材の品揃えという点でも非常に強いです(ゲームショップ経営者)」
確かに、今や量販店、複合店の品揃えは目を見張るものがある。
大型店のゲームコーナーが専門店よりもスペースがある、なんてこともザラだ。
しかも新作で大胆な値引きを実施しているところも多い。
「大型量販店などの『ゲームは安く販売して他の商品で利益を取る』という方法と、1つの店で色々と手に入れることができるという複合店の利便性は専門店では真似できず、自然と客足が遠のく結果になっています(ゲームショップ従業員)」
「獲得した顧客を、ポイントカードや電化製品、レンタル商材等で囲い込んでいるので、一度そちらになびいてしまったお客さんは、極度の品薄商品が出てきた時くらいしかゲームショップに行かなくなります。
また、われわれと違って『ゲームだけで利益を出す必要はない』というのも大きな強みだと思います(ゲームショップ経営者)」
つまり、採算を度外視して人気タイトルを客寄せに使い、他のもので利益を出すのである。
確かに電化製品なら利幅は大きいし、レンタル商材はリピート率が高いので集客効果は高いといえるだろう。
その中で気になるのは、量販店・複合店の「品揃えの良さ」である。
取材を進める中、あるOLは「どうしても欲しいゲームがどこにいっても見つからないっ!って時は某複合店に駆け込みます。 売切続出のゲームも複合店では山積みってことがけっこうあるんですよね。なんでなのかは分からないですが…」 と漏らした。
ここにも「実績」という、われわれの知らないシステムが関係していたのである。