本当の次世代DVDの戦いは、これから始まる
結果としてBD君とHD君の争いがあったからこそ、BD君がより魅力的になったと言えるかもしれない。取り巻きたちに気まずさが残るにせよ、である。しかしHD君は何に敗北したのだろうか。
思うに、メディアとしてBD君に劣っていたかというと、そうでもない。
HD君の言うことも毎回一理あった。
DVDとの親和性の高さは優れたアーキテクチャだったし、劣っているといわれていた容量だって解決されている。彼だってショヒ子さんのことを本気で考えて頑張っていたのである。
しかし、ショヒ子さんがこちらを向いてくれるまで耐えられなかった。
ショヒ子さんが次に彼氏を乗り換えるのは、アナログ地上波が停波する2011年くらいまで待たないといけないかもしれない。
その頃までもつれていたら市場は大混乱に陥っていただろう。
それまで辛抱強く待っていられる見込みがないと判断したのだろうか?
それとも、身を引くことが最終的に市場のためになると判断したのだろうか?
あるいは「なんとなくだけどショヒ子さんはBD君が好きなんじゃないか」という雰囲気に負けたのかもしれない。
どちらにせよ筆者はこの英断を支持したい。
いや、まだ現時点では発表されてはいないが、英断をしたという前提で支持したい。
ショヒ子さんもそろそろBD君のことを気にしだす頃合かもしれないし、東芝がBlu-ray搭載のレコーダーを開発したら、すばらしいものを作り出してくれるだろう。
少年誌の連載漫画打ち切り的な表現だが、「次世代DVDの普及は、今ようやくスタートラインに立ったばかりなのである」。
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