より明瞭になったBD対HD DVDの対立構図

 
Blu-rayDiscの価格はDVDより若干高くなる程度だそうです。しかしながら当初危惧されていたプレスの歩留まりの悪さは解消されるのか、など不安要素も残されています。
既報のとおり、PS3の発売は11月上旬とアナウンスされました。

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ここで再びクローズアップされるのは、PS3での搭載が決定しているBD(Blu-rayDisc)プレイヤーとHD DVD、二つの次世代DVD規格の関係性です。
もともとHD DVDは4月、BDは5月にもプレイヤーの第一機種が発売される予定でした。そこにPS3の春発売予定(当時)があったため、両陣営の動向がわかりにくくなっていたのではないかと思います。
事実PS3が予定通り春に発売されたとしたら、次世代DVDプレイヤーとしては他機種を圧倒的に突き放すボリュームでの広がりが予想されることになるわけで、次世代DVD規格戦争は一瞬で決着がついてしまう可能性すらあったのです。

「PS3が、次世代DVD規格の第一機種の発売次期と重ならない」ということが明らかになった今、両陣営のたちあがりがより明瞭になったと言えます。

つまりより低価格に(400ドル程度で)、BDより先んじて(4月に)発売されるHD DVDと、高級機として(1000ドル程度で)、やや遅れて(5月に)発売されるBDです。

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普及の決定は消費者にゆだねられた

HD DVD陣営としてはDVDとの下位互換、低価格、立ち上がりの早さを生かして一気にシェアの独占にかかりたいところでしょう。
BD陣営でもほとんどのプレイヤーではDVDとの互換を考えていると思われます(いわゆる3波長ピックアップ)が、高級機であること、HD DVDに1ヶ月程度の遅れを取っていることから、初期の苦戦は想像に難くありません。
どうしても11月に発売されるPS3を念頭に入れながらのアピールにならざるを得ないのではないでしょうか。

大手映画会社はBD、HD DVDのどちらを選択するのかの踏絵を迫られる事になりましたが、最近では徐々に「両方のフォーマットに対応する」と発表するところも増えてきました。

メーカー側も両対応を謳うメーカーが増えています。

ITmedia News:次世代DVD戦争、いまだ形勢見えず

次世代DVD戦争としての最大のカードであるPS3がもしなかったとしたら、戦いの決着を予想するのはかなり困難だったでしょう。
消費者の見えざる手によってしかその結果はわからない、という「決定的な一打」がない状況だと言えます。
しかし、BDプレイヤーとしてよりもゲーム機としての強烈な存在感を持つPS3が発売された時には状況は一変すると考えられます。
消費者が例えBDを意識しなかったとしても、次世代ゲームをプレイするためにPS3を購入すれば、自然とBDプレイヤーが手に入ってしまうのです。
しかもPS3のBDプレイヤーは機能的にフルスペックであると言います。

ITmedia +D LifeStyle:「PS3はプアマンズBDプレーヤーではない」――SCE 久夛良木氏

高機能BDプレイヤーでもあるPS3

PS3の発売延期の理由は、BDの規格策定の遅れ(具体的には著作権保護技術であるAACSの策定の遅れ)と新HDMI規格の遅れであると発表されました。

SCE、プレステ3の発売延期を正式発表--11月上旬に登場へ - CNET Japan

両方、ゲーム機としては必要不可欠なものとは考えられません。
あくまでBDのフォーマットを完全に取り入れるための遅れと言えるのです。
ソニー・コンピュータエンタテインメントは、PS3にBDの機能をすべて投入しておき、発売時期に完璧なBDプレイヤーとして市場に投入する事を考えています。

思い返せばPS2は初期ロット発売時、DVDのプログレッシブ再生をサポートしていませんでした。プログレッシブ再生に対応したPS2は初期ロットから遅れること実に3年2ヵ月後となっています。

プログレッシブ再生に対応したプレステ2が、ついに発売

今回はその反省か、あくまでBDのすべてを盛り込もうとしているようです。

PS3抜きで始まる次世代DVD規格戦争ですが、しかしながら11月のPS3の登場はその戦争に非常に大きな石を投げ入れる事になるでしょう。

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