ガイノイドの目に映る“アレ”
劇場版公開当時、押井守監督の口から「ガイノイドの目に何かが映っている」と言われていた本作。DVD版で確認しようと再生をストップし、じーっとにらめっこして判別した記憶がありますが、BD版では難なく判別できます。それどころか瞳のふちにある型番まで見れてしまいます。全体的に、DVD版では「文字だな」と言うレベルしか認識できなかったものがBD版ではほぼ文字の内容まで判別できるほど精細。
また、リニアPCM7.1chでの音声も収録されています。エントリークラスのアンプではまず対応されておらず、再生環境は非常に厳しいものですが、2chで視聴したところあまりの迫力に背筋が震えるほどでした。
およそドルビーデジタル、DTSとは次元の違う明瞭な音声で、このクオリティーで7.1ch再生したらどれほどの臨場感だろうと想像すると、その足でアンプを買い換えに行きたくなるほどです。
肝心のお話のほうはと言うと、『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』の続編であり単体では話がわかりづらく、また全編にわたる難解な引用、印象的なシーンの連続など「一見さんお断り」と言っていい内容。
しかしこれらは押井監督の持ち味とも言えるものなので、好きな人にはたまらないでしょう。監督の作品には珍しく展開もまとまっており、バディムービーとしても楽しめるし戦闘シーンも迫力のあるものに仕上がっています。
もともとアニメらしいクッキリとした画作りを目指した作品ではなく、フィルムっぽさを演出した作品なので、やはり「大人向け」と言えるでしょう。
ガイノイド製造シーン、パレード、CGを駆使した潜入捜査、何体ものガイノイドとの戦闘など見所も多く、それぞれのシーンでBDの高度な映像能力を体験できます。
PS3をお持ちなら是非一度体感してみてほしいと思える一作です。
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