PS3はBlu-rayDisk普及の鍵となりうるか?
PS3に搭載が決定されているBlu-rayDisk。HD DVDとの覇権争いの核となるのでしょうか? |
多少高額になってもBlu-rayDiskを採用したのは、PS2の時にDVD再生機能を搭載することによってDVD普及の立役者になったという過去を思い起こさせます。
前述のようにDVDの画質はハイビジョンよりもワンランク劣ります。ハイビジョン放送を目にするとDVDの画質ですら物足りなくなるほど、その差は歴然。
PS3はゲームだけでなく、映像ソフトでも一気にハイビジョンを普及させたいということになるでしょう。ハイビジョン画質でのパッケージはBlu-rayDiskかHD DVDでしか実現できないのです。
当サイトでも何度かお伝えしたとおり、次世代映像パッケージはBlu-rayDsikとHD DVDで分裂が確定的です。
どちらでもハイビジョン画質で映像が収録できることを考えると、二つの規格の覇権争いにもPS3が大きな役割を担うことは確実です。
ハイビジョン、本当にみんな待ってる?
ここで問題になってくるのはそこまでユーザーがハイビジョンを待ち望んでいるか、と言うことです。2011年のアナログ放送終了についても疑問視する声は多いですし、その頃までに地上デジタルチューナーがある程度安価であればハイビジョン非対応のテレビに地上デジタルチューナーを接続して急場を凌ぐユーザーも多そうです。
東京ゲームショウ2005でも披露された次世代機のクオリティーは確かに旧世代機のそれをはるかに凌ぎます。しかしゲームを愛するユーザーはその映像クオリティーだけを見ているだけではない筈です。
そういったユーザーに対する魅力がPS3にあるかどうか。つまり映像クオリティー以外のゲーム機としての魅力がPS3の普及にとって大きな鍵になりそうです。
さらにPS3を核として実現される(と思われる)家電のネットワーク化。詳しくはまた別の機会に説明しますが、CELLサーバーによる映像のアップコンバート、ネットワーク化による家電の相互接続。これらが一般のユーザーにとってどれほど魅力あるものかと言う疑問も残ります。
現にCELLサーバー、家電のネットワーク化と言われてもイマイチ良くわからないという部分も多い。
スペックばかりが先行し、これらの機能が一部の先進的ユーザーのためだけのものになってしまう可能性もあります。
PS2で十分?
再び、東京ゲームショウ2005でのPS3ブース。 |
しかし、ハイビジョンなどのキーワードに弱い家電ファンにとって、次世代ゲーム機がもたらすハイビジョンクラスの映像は魅力的にも写るのです。
つまりPS3を家電ととらえるかゲーム機ととらえるかで評価が大きく分かれることになりそうです。ソニー・コンピュータエンタテインメント久多良木社長が常々「PS3はゲーム機ではない」とコメントしているのもこの辺がポイントなのでしょう。
では「ゲーム機ではないPS3」は一体どれほどの人の購入意欲を動かすのでしょうか?
PS3がハイビジョン関連家電の販売促進のアイテムにとどまらないことを切に願うのみです。
それでは、次回には“ゲーム機ではないPS3”にスポットを当てて考えてみることにしましょう。