古いゲームファンなら「侍魂…? 『サムライスピリット』のことか?」などとSNKの名作格闘ゲームを思い出してしまうかもしれません。
違います。カタマリダマシイなのです。
『塊魂』はアクションゲームです。
王様がアルコールで酔って星空を壊してしまったので、王子はその尻拭いのために地球にやってきます。王子は地球で塊を転がし、様々なモノをくっつけて大きくし、大きくなった塊を星のなくなった暗闇に浮かべて星空を取り戻さなければなりません。
操作は非常に簡単。2本のアナログスティックをグリグリするだけで簡単に動かせてしまいます。
王子を操作して塊を転がし、地面に落ちている様々なモノを固まりにくっつけていきます。最初にくっつけることが出来るものは小さなモノ。だけど、いろんなモノを巻き込んで塊を大きくすれば、より大きなモノを巻き込むことができるようになります。
決められた時間内に、塊を決められた大きさまで大きくするのがゲームの目的です。
この感覚!
気泡シート(いわゆるプチプチ)を延々と潰すような快感。ただ巻き込むだけでもなんとなくやり続けてしまう麻薬的快感があります。
そして! それだけではないカタルシスがこのゲームでは得られます。
■小さいモノからコツコツと
最初は家の中で画鋲や消しゴムなどを地味に巻き込むのが精一杯な王子ですが、徐々に大きなもの…果物、野菜、植木などなど大きなものを巻き込めるようになってきます。
巻き込めない程大きいものに勢いよくぶつかるとせっかく巻き込んだモノが弾け飛んでしまいます。
中でもねずみなどの動物にぶつかると、王子は弾き飛ばされてしまいます。その際に壁や大きいものにぶつかってもモノが外れてしまうので注意が必要です。
巻き込めるものが増えていって塊が大きくなり、最初は脅かされたねずみも巻き込めるようになってしまい、猫、電柱、人、車、家などなど…。ステージが進むごとに劇的に塊が大きくなる様はとても楽しいものです。
気泡シートを延々と潰すだけの快感では味わえない感覚がそこにはあります。僕は『塊魂』の本当の魅力はそのスケールの大きさだと思うのです。
■それはドラマである
最初小さな塊だったソレは、町にある様々なモノを巻き込んで大きくなっていきます。大きなものを巻き込むにつれ行けるところも増え、巻き込めなかったものが巻き込めるようになり、最初「モノを巻き込む」というゲームだったはずがいつしか「町を破壊していく楽しさ」に変わってしまうのを感じました。
家を巻き込めるようになった瞬間でしょうか。今までは「モノを巻き込むための舞台」だった風景が塊の一部となって巻き込まれていき、通った先には草木一本残らないようになり、高層ビル、校舎、工場、果てはスタジアム、島、あんなものやこんなものまで巻き込んでしまう! そのカタルシスといったら!
制限時間は5分、10分から最長25分まで。その時間内、ただモノを巻き込むというだけなのに、その中には壮大なドラマが隠されていると、そこまで思ってしまいました。
お手軽アクションゲームを紹介するつもりが、なんだか熱くなってしまいましたね。次のページでは充実のオマケ要素なども紹介しましょう。