とかく単調になりがちなゲーム内容に対し、刻一刻と変わる戦況にあわせて様々なミッションをこなしていくのは非常にやりがいがあります。クリアに必須なミッション以外なら無視してもゲームクリアは可能ですし、その辺の自由度の高さがお使いゲームになりがちなのをうまく抑制しているのではないでしょうか。
また『戦国無双』ならではの攻城戦もよいアクセントになっています。城の中には服部半蔵やくのいちの2段ジャンプでのみ入れる隠し通路や、石川五右衛門の砲撃でのみ壊せる壁などキャラクターを生かした設定が見事です。
また攻城戦という要素を最大限に生かした無限城というゲームモードも良いアイディアだと思いました。
15武将のシナリオはそれぞれバリエーション豊かで、ミッションによる味付けが豊富なため長く楽しめます。濃姫、伊達政宗、雑賀孫市など操作に癖のあるキャラクターも多く、その点でも爽快感よりやり込みを重視したのではないでしょうか。
またキャラクター同士の関係が明確な点もプレイを続ける上で大きな引きになっています。織田信長と森蘭丸、明智光秀。真田幸村と武田信玄と上杉謙信。服部半蔵とくのいち。前田慶次と石川五右衛門、阿国など。モノによっては史実とかけ離れたオモシロストーリーになってしまっているものもありますが、個人的には織田信長をめぐる蘭丸と明智光秀などがお耽美で大変気にいりました。
演出面でも、織田信長の周りで黒い羽が舞い散ったり、明智光秀の周りで白い羽が舞い散ったり、絵的な美しさはかなりのものです。
一つポイントとなるのは従来のシリーズよりやり込み甲斐を重視したため、やや爽快感を損なう要素があるというところでしょうか。
敵の攻撃にもややイヤらしいものが増え、ミッションに追われがちになり、城内で迷ってしまったりといったこともあります。
それでも従来のシリーズより魅力を感じるのは舞台が馴染みやすい日本だからというのがあるかもしれません。
さて、次回は今回紹介しきれなかった無限城、新武将などをご紹介します。