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それってゲームとしてどうなのよ? ゼノサーガ(3ページ目)

2/28、ファンの大きな期待を背負ってナムコから発売されたスペースオペラRPG『ゼノサーガ』。一筋縄ではいかないこのタイトルを加藤健介がメッタ斬り!

山道 健介

執筆者:山道 健介

プレイステーションガイド

それってゲームとしてどうなのよ?

まず最初にRPGとして大いに疑問に感じるのが、「スペースオペラというジャンルとRPGとの食い合わせの悪さ」です。

過去、ファンタジー以外のRPGはいくつか発売されています。『スターオーシャン』シリーズがSF、『マザー』シリーズが現代、『俺の屍を超えていけ!』が中世の日本を舞台にしていますが、本格的なスペースオペラというのはあまりありません。

スペースオペラというと「宇宙を舞台にした壮大な叙事詩」といった印象があります。『スターウォーズ』などの映画でも見所の多くは宇宙での艦隊戦や戦闘機でのドッグファイトでしょう。

対してゼノサーガはRPGの基本を踏まえ、人(或いはサイボーグ、アンドロイドなど)が地上で戦闘します。艦隊戦などもありますが、それらはムービーで流れるだけでプレイヤーは関与することができません。必然的に、ストーリーの上で重要となる大掛かりで派手な戦闘は「見ている」だけ、ということになります。

主要キャラクターが自分の手を離れ、戦闘機を駆って緊迫感溢れる宇宙船を繰り広げているのを「コントローラーから手を離して」眺めているのにはゲームとしての違和感を感じずにはいられません。



ゲームを進める上での明確な目的の欠如

それに、ゲームをスタートしてからというもの主人公はいろいろな勢力の思惑に踊らされてストーリーが進んでいくのですが、ストーリーを進める上でプレイヤーの目的意識がほとんどありません。

シナリオ志向で有名な『ファイナルファンタジー10』ではゲームを通じて「ヒロインを守る」という「目的」がありました。が、ゼノサーガは単に事件に巻き込まれるだけなのでいつまでたってもゲームを進める意欲が湧きません。ストーリーの多くが謎で包まれていることもあり、主人公が何をしたいのかさえも明かされないままなので感情移入もほぼ無理でしょう。

これらの点から、ゼノサーガは作品としては「スペースオペラアニメにRPGをくっつけた」だけと言わざるを得ません。ゲームとしての統合性に著しく欠けると言えるでしょう。なので、ストーリーの続きが気になるという人じゃないとゲームを続ける意欲は保てないかもしれません。



それってシリーズ作としてどうなのよ?

一般的には『ゼノサーガ』は『ゼノギアス』の続編である、と捉えられていると思います。しかし高橋監督の正式な続編ではないというような発言があり、実際には「『ゼノギアス』の世界観を継承し、根本からリメイクした」上での続編であるようです。

シナリオを進めていくと、明らかに『ゼノギアス』との関連を思わせるいくつかのキーワードが登場します。(ゾハルの存在、謎の少女が前作のヒロインに似ている、エンディングでワンカットだけ登場する少年など)

『ゼノギアス』は壮大なストーリーの一部として発表されました。その『ゼノギアス』のエンディングに「エピソード5」という表記もあることから、ファンは『ゼノサーガ エピソード1』を正統な続編だと認識したでしょう。

しかし監督のインタビューでは「続編と思われがちだが違う」との発言があり、さらにユーザーを混乱させているようにも思えます。発売元が違うので続編とすることに問題があるのかもしれませんが、もう少し明確にして欲しかったところです。

そしてこれが最大の問題点なのですが、実はこのエピソード1では物語が完結しないのです。


ゼノサーガはSFマニア専用RPGなのか?
練られた戦闘と成長、しかし終盤はやや単調に
それってゲームとしてどうなのよ?
そうならそうと最初に言って欲しかった

(c) 2001 NAMCO LTD., ALL RIGHTS RESERVED

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