シリーズで見るFF10
壮大なストーリー
シリーズを通して絶大な人気を得ている理由の一つに、映画のようなスケールの大きいストーリーがあります。シナリオが完成している分キャラクターの個性がはっきりとしているので、その点一本道のシナリオが嫌いなユーザーは敬遠してしまうかもしれません。ですが、多彩なサブイベントやミニゲームなど一本道に感じさせない工夫が至るところに感じられます。
FF10でももっとも期待が膨らむ部分ですが、今回の物語はというと…。
今回の舞台では大いなる災厄“シン”によって人々は苦しめられている。“シン”を倒せるの唯一の力をもつのは“召喚士”であり、主人公ティーダはある出来事で偉大な召喚士ブラスカの娘ユウナと出会う。二人は“シン”に立ち向かう事ができるのだろうか?
召喚士、究極召喚魔法、そしてシン。息を呑む程美しいムービーシーンがすさまじい説得力で見るものを引きこみます。
今まではファンタジー、そしてSFテイストなものが多かったシリーズですが、今回は既存の世界観に逃げずに丁寧に世界が構築されています。そういった物語は独特の用語が多かったり、宗教観が難解だったりするものですが、映像のもつ説得力は流石、といった感じで自然にストーリーに溶け込んでいます。
システム
RPGのシステムと言うと一番気になる点は戦闘システムですよね。FFでも一番注目される部分ということで、シリーズごとに多彩な新システムが導入されています。前作まではATB(アクティブタイムバトル)という半リアルタイムの緊迫感あるシステムが採用されていましたが…。
FF10はATBではなくリアルタイムを排除したコマンド式のシステムが採用されています。誰がどの順番で動くのかをチェックしながらじっくり考え、先を予測して戦うのがFF10の戦い方。前作を遊んだ方もそうでない人も、今回は皆同じスタートラインですよ。
そして今回はユウナが召喚する召喚獣が戦闘のキーになっています。従来のFFシリーズの召喚獣は一回召喚するといなくなりましたが、今回では召喚した召喚獣はパーティーの一員として戦闘に参加します。召喚中はパーティーは戦闘に参加しないので、シリーズで言えばFF8の召喚獣に近いでしょうか。
これにより、刻一刻と変化するパーティーの状況と召喚獣の状況を把握して、場面や敵に応じて最適な召喚獣を呼ぶという面白さが付加されます。
モンスターや召喚獣の属性(火、水など)が戦闘において重要なのはシリーズの伝統なのですが、今作はそれが今まで以上に重視されていると言っていいでしょう。
実はスクエアはFF10から、スクエアの他のゲームの開発スタッフを投入しています。こうすることで“フロントミッション”やSAGAシリーズなどの血が徐々にFFに注ぎ込まれ、活性化することが期待されます。