女子オススメの「多慶屋」って何だ?
多慶屋の目印は紫に統一された外壁。上野、浅草あたりで知らない人はいないらしい |
「多慶屋に行ってくださーい」
と言うではないか。なんだ、その多慶屋っていうのは……。まったくわからないでいると、プロデューサーのNくんが、
「ドンキ(ドンキホーテのこと)の元祖みたいなお店らしいですよ。何でも外観が紫でとても目立っているらしいです」
と説明してくれた。ふーん。あまり乗り気ではない僕。でも、女子社員たちがあまりに熱心に勧めるので、行くことにした。年の瀬だし、上野あたりから御徒町を通ってどこかに抜けるのもいいだろう。
というわけで、12月の半ば、天気のいい日に散歩に出かけることにした。オールアバウトからは、熱心に勧めてくれた女子社員ではなく、新しいプロデューサーのEくんがやってきた。
「まずはアメ横を散歩して、御徒町でご飯でも食べて多慶屋さんに寄り、それから秋葉原に行きましょう」
とEくん。なんでも、秋葉原デパートは今年いっぱいの営業で、取り壊されるそうなのだ。
師走のアメ横の中心で、チョコを買う
これがアメ横の新名物、チョコレートの叩き売りだ! |
「メガネのお兄さん負けとくよ」
お菓子屋の店先から声が飛ぶ。活気があるねぇ。魚介類の店も多い。
「いやぁ、数の子うまそーだなぁ」
とEくん。おせち料理の材料などが店頭に並べられている。
最近、このアメ横でおもしろいのは、チョコレートの叩き売りである。テレビで見たことはあるのだけれど、実物を見るのは初めて。ルールはごく単純で1000円出すと、チョコレートを袋いっぱいに「もう1枚、さらに1枚」といっぱいに入れてくれる。これが見ていて飽きない。同じ組み合わせはまったくない。とにかくお兄さんがしゃべりながらいろいろなチョコレートを袋に入れてくれるのだけれど、もう終わりかと思ったら、また「もう一枚」と入れてくれる。
Eくんも千円札を取り出して、買おうとしている。けっこうな人だかりができていてなかなかEくんの順番がまわってこない。でも、見ているだけで楽しい。そのうちいよいよEくんの順番がやってきた。
「お兄さん二枚目ですねぇ」
とEくんはお店の人にお世辞を言う。うまいなぁ。お兄さんも機嫌よくポンポンとチョコレートを袋に入れてくれた。前の人より多く入れてくれているように見える。
なんとも楽しいアメ横である。いろいろな商品を見ていると、本当にあっという間にJR御徒町駅に出る。