"フード"がエンターテインメントですか?
「東京シュークリーム畑」のエントラス。この奥には数々の凝った演出と、焼きたて、出来たての絶品シュークリームが! |
とあるクライアントからナムコへ、横浜で「集客をしたい、話題を作りたい」と依頼がありまして、その時、横浜にはすでに「新横浜ラーメン博物館」があったんです。入場料を取りながら集客しているこの施設に注目と言いますか、正直すごい施設だな、と。
そんな横浜で、我々がナンジャタウンなどで培ってきたノウハウを持って、「食はエンターテインメントだ!」というのを実証してみようと、チャレンジして、できたのが横濱カレーミュージアムだったんです。
これが実際にオープンしてみると、予想以上の話題になって、若い世代だけでなく、主婦、中高年といった方々にも来て頂けたんです。食をテーマとすることで施設の情報を掲載するテレビや情報誌などのメディアが増えて、幅広い年齢層の方々に情報が届いたからだと思うんです。
本来、エンターテインメントの理想は、年齢を問わず、多くの人に楽しんでもらうということだと思うんですが、この施設を手掛けることで、「食はエンターテインメントになりうる!」と実感、確信しまして、その後の数々のフードテーマパークへ繋がっていったわけです。
"フード"選びはどのようにして決定されるのか?
――「フードテーマパーク」として、「カレー」や「ラーメン」など、次々とそのテーマを変えて新たなプロデュースしていますが、そのテーマとなるフードの選定はどのように決定されているのでしょうか?女性に人気の街、自由が丘ならお菓子とか、施設が建つ立地の持つイメージに即したものを選択します。そして、エンターテインメントということで、さまざまな方に提供できるものということで、誰もが一度は口にしたことがある国民食を選択しています。
誰もが普段口にしているものだからこそ、改めて美味しいと自信を持って提供できるものがあれば、その美味しさにビックリして頂けるということもありますよね。
我々はまず、空間ありきで企画をスタートさせます。例えば餃子のテーマパークなら、餃子の街並みにはどんなものがあるかな、なんて空間を想像することから始まります。それからどんなお店があるかということになって、餃子を扱っているお店をあらゆる情報からリストアップして、実際に訪れてみるんです。
そんなお店で味はもちろん、店にはどんな歴史があるのかを確認します。これを私たちは"神話"と呼んでいるんですが、そんな歴史も知りつつ、店主はどんなキャラクターなのか、などなどを確認して、トータルでそのお店に魅力があったならば、我々の目指すフードテーマパークのアトラクションとなり得るわけです。
単に美味しいというだけじゃ当たり前、その店にどんな魅力があるのか、エンターテインメントとしてどういう角度からその店が持つ魅力をフードテーマパークとして見せられるかが大事なんです。だから逆に、お店探しではそういった魅力をもつ店が本当にあるのかどうか、という不安はありますね。