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明治大卓球部・平岡監督に学ぶ技術論(4) バックハンドの設定のツボ(1)(2ページ目)

長らく日本選手の弱点といわれてきたバックハンド。とりわけバックドライブの苦手な選手が多いのは、「身体の動かし方が『逆』に設定されている」からだという。明治大学卓球部の平岡義博監督に学ぶ技術論の4回目。

執筆者:壁谷 卓

悪い例2
【悪い例】後ろから前へ直線的に押すスイング

「押す」打ち方の欠陥

シェークハンドかペンホルダーかにかかわらず、日本選手のバックハンド技術でよく見られるのが、後ろから前へ直線的に押すような打ち方だ。
いわゆる「プッシュ系」の技術だが、常にこのような打ち方をしている人は「逆の設定」がしみついていると平岡監督は言う(以下、右利きの人を対象に説明するので、左利きの人は逆に考えてほしい)。

「バックハンドを自然に振るためには、時計回りの方向への回転運動が必要です。しかし、ヒジを伸ばして押しを加える打ち方の場合、身体の軸の回転が時計と反対回りになりやすいんです。バックハンドの設定で大切なのは、身体の軸を時計回りに回転させることなのです」

ここでいう身体の軸とは身体の中心線、頭から腰(お尻)までを貫く一本の柱のようなものをイメージしてほしい。

バックドライブが打てなくなる原因

とっさの場合は、反時計回りのほうが素早く対応できるが、「それはあくまで緊急事態」だという。

「いつもこの緊急事態の方向(時計回りと逆の方向)へ身体の軸を回転させている人は、バックドライブがうまく打てなくなります。そして日本選手の多くがこのパターンです。どうしても昔のペンホルダーの方法に陥ってしまうんですね。この回転方向に対する意識の欠如が、日本選手のバックの弱さの最大の原因です

ちなみに、中国のペンホルダーの弱点も日本と同様のもので、その解決法として身体の軸が時計回りになる「裏面打法」を取り入れているという。
日本式ペンホルダーながらバックハンドの強いチャイニーズ・タイペイの蒋澎龍(01年世界3位)や韓国の柳承敏(04年アテネ五輪チャンピオン)は、ヒジの角度を強い状態に保ったまま右方向に弾くような打ち方で対処しているという。

そのあたりの具体的なやり方や、「逆の設定」の矯正方法などは次回紹介したい。
今回は理論の紹介になって、やや難しかったかもしれない。
ただ、この考え方を押さえておかないと、一つひとつの技術的局面において、いちいち頭を悩ませることになるのではないかと思う。

********関連サイト*********
<連載・平岡監督に学ぶ技術論>
第1回 フォアハンドの設定のツボ(1)
第2回 フォアハンドの設定のツボ(2)
第3回 スイングのツボは「肩」にあり
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