ひとつが「身体の正面で打球しているか」、すなわち「上半身と打球点との位置関係」をつくるということ。
もうひとつが「身体の中心線を超えて逆サイドまでラケットを振り抜く」ということだった。
それらが、平岡監督流にいえば「一番強い状態」で打つための大切な形づくりということになる。前回の記事:フォアハンド設定のツボ(1)
打球時の「ヒジの角度」は110度か120度から90度までが一番強い状態 |
もうひとつの設定「ヒジの角度」
平岡監督はフォアハンドの設定のツボがもうひとつあるという。それはラケットハンド(ラケットを持っている腕)の「ヒジの角度」だという。
ちなみに、この技術論の記事でいう「ヒジの角度」とは、ヒジを曲げたり伸ばしたりしたときに、上腕(肩からヒジ)と前腕(ヒジから先)の内側にできる角度を指すこととする。
このヒジの角度が、おおむね110度から120度の状態から、90度(直角)になるまでのあいだで打球するのが、最もボールにパワーを伝えやすいという。
いわば、この20度から30度のあいだが、打球時のヒジの角度としては「一番強い状態」ということになる。
こうやって数字を用いて書くと、何やら堅苦しくて肩が凝ってくるかもしれないが、そんなことは忘れて、ごく自然にスイングしてみてほしい。
この20度から30度のあいだでインパクト(ラケットとボールが当たる瞬間)したときに「打ちやすい」と感じる人が多いはずだ。
だから、この「一番強い角度」で打ちやすいと感じる人は、すでにヒジの角度の設定ができているということになる。
理想的なヒジの角度をチェックする方法 |
ヒジの角度のチェック方法
理想的なヒジの角度をチェックする方法を紹介したい。これは平岡監督が講習会などで紹介しているチェック方法である。
まず、卓球台から少し離れて立ち、ボールを高く投げ上げる。
次に、落下して床にバウンドしたボールが、打ちやすい高さまで弾んできたところを、山なりのドライブをかけるように(ロビングに近い感じ)でインパクトする。
このとき、ヒザの屈伸など身体のほかの部分は使わず、腕だけでスイングする。
これで山なりのボールが相手コートに返ればOK。つまり、この方法でラケットに当たったときのヒジの角度が理想的な角度だという。
「最初は当たらない人も多いんですけど、15分ぐらいやるとだいたいの人ができるようになります。これが設定されると、すごく速くフォア打ちができるようになる」と平岡監督は言う。
次のページに、このチェック方法を写真で紹介した。試してみてほしい。