卓球/卓球関連情報

やっと明記されたサービスの基準(2ページ目)

この9月、またもやサービスルールが変わった。1年前の大改定のときには明記されなかった基準がようやくルールブックに盛り込まれたのである。日本卓球協会のルールをもとに、新サービスを読み解いた。

執筆者:壁谷 卓

あまたの選手や審判から改善の要望が殺到したのだろう。この2003年9月から適用されたルールには、次のような一文が加えられている。

《さらにボールが手のひらから離れたら、すぐにフリーハンドと腕を、サーバーの体とネットとの間の空間の外に出さなければならない》(日本卓球協会のルール「1.6.4」より)

そして、併せて「空間」も図解された。これによって、ルールブック上にようやく正しいサービスの「基準」が明記されたのである。

さらに、日本卓球協会は「新サービスルールの解釈」を発表し、3つの「ポイント」を挙げた。詳しくはそのページを見てもらうとして、簡単にまとめてみよう。

<1>「すぐに」というのは、「ボールを投げ上げた手が頂点に達したあと、連続動作で」という意味。
<2>「フリーハンドと腕」は、「ボールが頂点に達するまでに、規定の空間の外に出さなければならない」。
<3>「サーバーの体」とは、「ネットに最も近い両肩の部分を基点とする」。

ここで私は<2>の部分に関して、ひとつの疑問を抱いてしまった。バックサービスは出せなくなってしまうのだろうか、と(写真はパーソン選手、02年6月スーパーサーキットより)。

《空間の外に出さなければならない》ものとして、《フリーハンドと腕》とある。しかし、バックサービスを出す場合、ラケットハンド(ラケットを持っているほうの手)を身体の前で交差させるため、必ず腕が空間の中に残ってしまうのだ。

そこで日本卓球協会に問い合わせたところ、《フリーハンドと腕》という表現はフリーハンドと「その腕」という意味で、ラケットハンドは含まれないとのこと。ちなみに国際卓球連盟の原文には、「free arm」と書かれてあるだけだ。しかし、フリーアームと訳しても国内で認知されるかどうか疑わしいため、「フリーハンド(手首から先)と腕」という表現を用いたのだそうである。

しかし、である。フリーハンドと「その」腕、という表現にしないと、私のように疑問をもつ人もいるのではないだろうか。問い合わせに答えてくれた協会の方は「ご指摘の通りです。私も『その』を入れたほうがいいと主張したのですが、『これで十分わかる』という意見が多くて通りませんでした」という説明をしてくれた。

私は2つに解釈できる「余地」がある表現だと思うんですけど、みなさんはどう思います?
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