大会運営の最終権限をもつ木村興治大会委員長が事態収拾に乗り出し、小山の説得にかかった。だが、小山は「ビデオ見せてください」などと言い、聞き入れようとしなかった。

「じゃあ、これが最後通告になるから。あとは審判長が決断せざるをえない」
木村大会委員長はそう言い残して立ち去った。

大野審判長はこう語る。

「審判によって解釈が違ったりすることについての抗議は成立しますけれども、事実の判定について、いまのはフォルトじゃないというような抗議はできないんです。審判の判定は正しかったと私は信じています。だから審判の判定通り、ポイントは戻せない。これ以上不満だったら、あなたから棄権すると言いなさい、と。私のほうは、時間がきたらあなたは棄権扱いします、と」

ケガについては10分以内というルールがあるが、トラブル処理の時間の設定については、審判長に裁量権が委ねられている。大野審判長は小山に3分間の猶予を与えた。

結局、10分ほどの中断のあと、小山はコートに戻った。そして末益に敗れた。試合を続けたのは満員のお客さんのためだという。だが、再開直後の1点を末益がとったとき、場内から格段に大きな拍手が沸き起こった。

小山に同情すべき点がないわけではない。しかし、いったんは「試合放棄」を口にしたのだ。コートに戻れば「悪役」になることは目に見えていた。ミスに喝采が送られる「負の感情」のこもった試合は、する者も、見る者も、そして裁く者も、たまらなくむなしい。


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