──「たっきゅん」という会社名は、どうやって決めたんですか。
「表向きは、『卓球に胸きゅん』で『たっきゅん』としてるんですけど、会社の名前を考えてたとき、松島さんの奥さんから『たっきゅんは?』と言われたんです。松島さんの奥さんがキムタクのファンで、キムタクが一部のファンから『たっきゅん』と呼ばれてたらしくて(笑)。ブランドも女性をターゲットに考えてたので、それいいですね、と」
そのブランド「ta9n」のデザインのひとつが右の写真。「卓球をファッションの一部にしたい」という彼は、今後、本格的にブランドとして広めていきたいという。ちなみに、All About Japanのユーザーのために、公式販売に先駆け、「たっきゅんTシャツ」をプレゼントしてもらえることになった。応募規定などは次ページ。
現在の収入は、インターネットの卓球ショップ「卓激屋」の売り上げと、ホームページ製作の仕事が中心。トータルプランニングやブランド展開でメシを食うのは、まだしばらく先のことになるかもしれないという。
「いまやっている仕事であれば個人でもできるんですけど、これからやろうとしていることの取引の信頼性を考えると、会社組織にする必要があると思ったんです」
合資会社という法人の設立には、「無限責任社員」と「有限責任社員」を置くことが義務づけられる。字面の通り、負債を抱えたとき、責任が無限にある社員と、責任に限度がある社員が最低1人ずつ必要になる。代表の彼はもちろん無限責任社員。会社の借金イコール自分の借金という立場だそうだ。
──失敗したら、身ぐるみ剥がれると。
「そうです(笑)」
──不安は?
「ちょっと前まではあったんですけど、いまはないですね。やりはじめたら、自分の中の雰囲気とか、全部いい方向に向かっている気がするんです。若さゆえですかね(笑)」
若さゆえ、なのかもしれない。しかし、22歳で「守り」に入ってやりたいことにチャレンジできないんだとしたら、人生はずいぶん味気ないものになってしまうような気がする。私もワクワクしながら見守りたい。