ところで、サービスが有効か否かを判定するのは誰なのか。審判、なのである。言うまでもない。至極当然だ。審判以外に誰が判定するのか。しかし、皮肉なことに、この極めて真っ当な判定方法が、混乱を来たす火ダネとなりかねないのだ。

スーパーサーキットのように、主審、副審の2人がジャッジをする試合でルール違反のサービスを出した場合、いきなり「フォルト」が宣告され、失点となる。ただし、現時点では、新ルールを試験的に導入しているため、例外的に注意が与えられている。注意されることもあるのは、審判が1人の場合で、最初の1度だけである。

スーパーサーキット開幕初日に行われた18試合のうち、新サービスルールに違反するとして、選手に「注意」が与えれられたケースが3回あった。そのうち2回の注意をした国際審判員は、いずれのケースも「フリーハンドが(三角形の中に)残っているように見えた」からだという。

しかし、私の素人目にすぎないが、ほかにも注意を与えられてもおかしくないサービスはあったように見えた。その点を口にすると、
「うーん……微妙なのはたくさんありました。ただ、初めてなので、あまり厳密にはジャッジできなかったかもしれません」

開幕戦のジャッジを務めたのは4人の国際審判員だったが、注意を2回与えた審判員をして「ためらい」があったという。試験的とはいえ、新ルール導入初日の注意が3回という少ない数字に収まったことの、審判員によって判定基準にバラツキがあるように感じられたことの、理由の一端が透けてみえる。

やむを得ない、と思う。

ご存知のように、卓球の審判はネットの延長線上に位置している。その位置からだとサーバーをだいたい「斜め」から見ることになるが、レシーバーは卓球台を挟んでサーバーと向かい合っている。すなわち、審判とレシーバーとでは、サーバーを見る角度が大きく異なるのだ。

ジャッジを見守った東京卓球連盟の三沢佳紀審判委員長は言う。
「サービスを出す位置や構えによって見え方がかなり違う。現時点では完璧なジャッジをするのは難しい」

そのためか、パーソンらのトップ選手からも「どこまでが有効なのか」という質問があり、試合終了後に臨時のレクチャーが行われることもあった(写真上)