卓球/卓球関連情報

世界卓球選手権大阪大会ルポ 練習会場から見える風景(18)(2ページ目)

連載ルポルタージュの18回目。高島氏へのインタビューの最終回。

執筆者:壁谷 卓

「ノーだったんですよ」と高島氏は言った。
「どうしてですか」
「わかりません。ノーなんです。ダメだって言われたって。浩二だけ来たんです。それで健勝苑の鬼頭、平とか増田とかに頼んで来てもらったんです。けど、彼らも社会人ですから、30分もがんがん打ちゃ、もう大変ですよね。それで東山高校の高校生を2人呼んで、3日間やったんですよ。

そうしたら、浩二は筋肉痛で2日間はメシが食えなかったらしいです。長年ラケット握ってるというのに、そのあいだに親指にマメができました。でも、僕は基礎的な練習しかしなかったんです。年齢的なものもあるし、怪我をさせてはいけないし、僕のなかではそんなにハードな練習をさせたつもりはなかったんですけど、練習不足だったのか、彼は2日間メシ食えなかったそうです。

そこまでやったんですけれども、やっぱりちょっと時間が足らなかったんです。錆びを落とすのが精一杯だった。磨きをかけるまでいかなかった。古い戦術を変えるところまでいけなかったんです」

大会直前にナショナルチームが大阪で合宿をしているときも、松下の状態を心配した小野コーチが電話をしてきたという。
「いや、どうも調子がよくないんですよ」

「午前と午後、ナショナルチームが練習しているところに、僕が乗り込んでいってやるわけにはいかない。だから、夜に、規定練習が終わってからフリーの時間に体育館が使えるんだったら、面倒みてやることはできる。セットアップできるんやったら、本人と相談してやりなさい」
高島氏はそう伝えた。

「できなかったんです。体育館が使えないと連絡がきて」
「貸切で使えるわけですよね」
「もちろん貸切です」
「それなのに、どうしてダメなんですか」
「夜は使えないんですって。それでレッスンできなかったんです」
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 7
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます