ピンクリボン運動とテニスとの関わりについて
先ずはピンクリボン運動について説明したい。この夏頃から腕に白いバンドを付けている人を国内でも見かけるようになっている。世界が抱える貧困問題を解決しようという趣旨のもと、その活動趣旨に賛同した人たちが白いバンドを付けてその意思表示をしているというムーブメントにピンクリボン運動も似ている。
その乳がん啓蒙活動のシンボル。それが「ピンクリボン」。運動の発祥はアメリカ。乳がんで身内を失った家族が「この悲しみが繰り返されないように」との願いを込めてピンク色のリボンを作ったことから始まり、乳がんの啓蒙と、乳がんに対する理解と支援活動が全米で広がり、全世界をあげての運動へと広まった。その活動のシンボルが、ピンクリボンである。
で、なぜ、「テニス」と「ピンクリボン」がつながるのか。海外、特に発祥国でもあるアメリカではスポーツ界にもピンクリボンが浸透しており、既にテニス選手の中でも、ビリー・ジーン・キング、クリス・エバート、リンゼイ・ダベンポート選手が活動主旨に賛同の意を表し、ピンクリボン運動に寄与している。
彼女らの活動が徐々に浸透し、日本でも日本女子テニス連盟が中心となり、乳がん撲滅運動の一環として、「乳がんの早期発見啓発運動を促進」を目的に2003年から「ピンクリボンテニストーナメント」スタートした。
全国各支部(各県)で一般の部と50歳以上の部で予選を行い、決勝大会では、予選を勝ち抜いた一般の部と50歳以上の部の優勝ペアがチームを構成して、トーナメント方式で優勝を競う。参加者はピンクリボンバッジをウエアに付けてプレーすることがルールとなっている。
また参加者全員に「乳がん自己検診ノート」と「乳がん早期発見啓蒙推進運動リーフレット」が配布されることでも注目を浴びている。
テニスメーカーにおけるピンクリボン運動への取り組み
テニスメーカーにもピンクリボン運動に賛同し企業として取り組みを示している会社がある。Wilsonブランドで有名なアメアスポーツジャパンでは先ほど言及した日本女子テニス連盟が主催する「ピンクリボンテニストーナメント」を協賛している。そして、杉山選手やシャラポワが使用するラケットのメーカーPRINCEでもピンリボン運動に賛同し「PRINCE ピンクリボン 支援活動」を実施、ピンクリボン対象商品の販売金額の一部を寄付している。
このようにテニス界では選手のみならず企業が動くほどのムーブメントにとなっている。
最後に
乳がんは女性だけがかかる病気ではなく、症例は少ないものの男性も乳がんにかかるというので男性も人ごとではない。「スポーツ通じて社会貢献」
お役所のポスターに掲げた標語のような気もするが、今回のことがきっかけで乳がんの検診を受ける人が一人でも増えたら、寄付をした杉山選手もさぞかし喜ぶであろう。