「金曜日が待ち遠しくて仕方なかった」
40000人の観客を集めた今年の1.4ドーム大会。清野アナが新IWGP王者・棚橋に期待することとは? (C) Kawazu |
「うーん、僕がいつも実況するのは、後楽園ホールがいちばん多くて、あとは地方会場ですからね。違うと言えば当然違うんですけど。ただ、今回はノアとの対抗戦があったじゃないですか。あの時に中邑真輔が関節技を仕掛けた時に“折れー!”っていう声が聞こえてきたのは良かったですね。
あれって、新日本らしい応援の仕方だなって思ったんです。多分、ノアのファンは“折れ!”とか言わないですし、例えば、DREAMの会場で青木真也が関節技やっても“折れ!”という声は飛ばないですよね。やっぱり、あの“折れー!”というのは、新日本対はぐれ国際軍団とか、新日本対Uインターの対抗戦で使われてきた“伝統”ですよ!やっぱり、対抗戦ということで、新日本らしい熱いファンが観に来たのかなと感じました」
――また、次回の両国大会では、すぐ棚橋-中邑戦が行われ、勝負に出ている感じもビンビン伝わってきますが・・・。
「チャンピオン棚橋弘至にとっては試される試合でしょうね。普段、会場に足を運んでいる方ならご存知でしょうが、棚橋さんは会場での人気が高くないのでブーイングが飛ぶこともありますよね・・・。でも、棚橋さんは、新日本ファンには受け入れられにくいチャラいキャラクターで敢えて勝負しているのはたいしたもんだと思います。
実はかつてのパートナー鈴木健想が先にやっていた路線なんで、今、タナケンが復活したら面白いんじゃないですか(笑)。まあ、話を戻すと、棚橋と中邑ではファンの支持率ってどっちが高いんでしょうね?支持政党の世論調査じゃないですけど、それが会場の空気でハッキリ出ると面白いですよね」
――おっ、清野さんの新日愛が徐々に出てまいりましたね。さて、そんな清野さんですが、今度はその経歴をお聞かせ下さい。プロレスとの出会いはいつにまで遡ればよいでしょうか?
「小学校2年生ですね。8歳の時かな。当時、テレビ朝日でやってた月曜19時のタイガーマスク2世というアニメが放送されていたんですが、そのエンディングで“今度、実物のタイガーマスクがデビューしました”って出て、その映像が流れたんですよ。もう、それを観て、アニメをずっと観てましたので、その本物にビックリしまして、鮮やかなジャーマンスープレックスとか・・・。
で、そのまま金曜20時に流れた訳ですが、まさにテレビ朝日の思う壺ですね。まんまパブリシティに引っ掛かりました(笑)」
――タイガーマスクをきっかけに新日本プロレスを観るようになられたのですね。
「もうタイガーマスクが大好きだったんですね。で、新日本を観るようになるのですが、同時に全日本も観るようになる訳ですね。どうやら、土曜の夕方にやってるらしいと。
でも、正直そっちはあまり燃えなかったですね。当時のエースは、ジャイアント馬場で、その次に鶴田、天龍が戦っている訳ですが、でも金曜の新日は、生中継があったし視聴率も20%を超えている時代でしたから。しかも、当時は週休2日制もないですから、土曜に学校行けばその話題で持ちきりですよね。
だから、プロレスを観ることが決して珍しくはなかったんですよ。19時からドラえもんを観て、19時半から宇宙刑事ギャバンを観る。当時の小学生、僕ら団塊ジュニアのお決まりだったと思いますよ」
――おお、ギャバンですか!?
「ギャバン。その後にシャリバン、シャイダーときて、ジャスピオンへと続くんですよね。ちゃんと視聴者を逃さないように。だから、金曜日が待ち遠しくて仕方なかったですね。タイガーマスクの華麗な試合に、藤波辰巳というもの凄い大胸筋の発達した・・・、胸があまりに大きかったから、最初観た時は女の人かって思ったんですよ。で、最後は猪木さんが締めるっていう美しいラインナップがありましたよね」