「道場破りと対戦すんのも俺しか残らない」
【インタビュー前号はコチラ】――藤原さんといえば、入門されてからデビューまでが異様に早かったんですよね。
「2日に入門して12日にデビューだもん。しかも第3試合だったかな?」
――10日ですか!? 異例のスピードですよね。入門されてから、実力で周囲を分からせたということですか?
「そんなこと自分でいっちゃダメだろうよ。まあ、そうだけど(笑)」
――先輩相手でも臆することなく挑んでいったということですね。
「練習はハッキリいって試合より大変だからね。負けたら、どうなるか分からんから。先輩だから普段は“ハイ、ハイ”っていってるけど、練習になればギロって睨んで“なに、ボケ”って感じでさ。でも楽しかったよな。練習が終わったらドンチャン騒ぎよ。
で、(違う写真を見せてくれて)これはアリ戦の時だな。試合前に俺もスパーをやらされて、相手は日本人のヘビー級チャンピオンなのに、その鼻っ柱に(組長の)ジャブが入ってんのな」
――アリのジムに誘われたのは、この時ですか?
「そうだな。29歳の時だったな。俺、ボクシングやったのなんか初めてだよ。でも、猪木さんから“ボクシングやれ”っていうからさ」
――藤原さんは、手も長いし、足も長い。
「ボクサー体型だったよな」
――で、こちらの写真は顔が腫れてますけど。
「これは他流試合の時だな」
――道場破りですか?
「ハイキックを喰らってな。小鉄さんがレフェリーやってて、相手が参ったっていうから一回離したんだよ。そしたら、向こうが蹴ってきやがって、それで頭にきちゃって“ぶっ殺すぞ”っていったら周りに止められたんだよ。チャンチャン(笑)」
――当時の道場破りは、どのくらいの頻度だったのですか?
「結構あったよ。プロレス始めて4年くらいの時だったから、27、28歳の時だな。(道場破りが来ると)周りのヤツらが道場からいなくなっちゃうのよ。さっきまで居たのに、腹が痛いとかってさ。だから道場破りと対戦すんのも俺しか残らないんだよ(笑)」