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『1976年のアントニオ猪木』を紐解く(3)

『1976年のアントニオ猪木』著者・柳澤健さんへのロングインタビュー。第三弾は、いよいよ本題へ。ファンが“プロレスを真剣勝負と思い込んでしまった”きっかけとなる猪木の1976年に迫る。

執筆者:川頭 広卓


『1976年のアントニオ猪木』著者・柳澤健さん インタビュー

【前回のインタビューはコチラ

――さて、いよいよ本題に入りますが、我々ファンが“プロレスをリアルファイトと思い込んでしまった”という点で、アントニオ猪木に行き着く訳ですね。

「海外は分かり易いですよ。リアルファイトの 総合格闘技は、グレイシーがあって、UFCが出てきて、それが今にずっと続いている。それこそが正しい歴史だけど、日本の場合ではすごいよじれているでしょ?

つまり、今の総合格闘技はUWFや猪木に繋がっているという訳。しかも、そっちが本流で、途中からUFCが割り込んできたみたいに日本人は思ってしまっている。それが日本の非常識。

PRIDEやHERO'Sが、猪木のファンタジーの上に乗ってることは確かだし、現実問題として、猪木の76年がなければ、日本でこんなに格闘技が盛り上がることはなかった。猪木の異種格闘技戦の先に、UWFがあり、UWFの先にリングスがあり、格闘技があった。猪木が生み出したこの巨大なファンタジーのことを書いたのが、この本(『1976年のアントニオ猪木』)なんです。

だから日本の格闘技の変さ加減は、この本を読めば分かるはずなんだけど、でも、作者である僕にとっても、そのことが分かるようになったのは、随分調べてから。割と最近になってからなんだよね(笑)」

――最初から、日本におけるプロレスとリアルファイトの歪な関係を記そうとした訳ではなかったのですね?

「きっかけは、Number539/540『猪木の惑星。』(2002年1月24日号)という号の取材でパキスタンに行って“76年の猪木、面白いじゃん”って思ってからなんです」

インタビューの続きはコチラから

『1976年のアントニオ猪木』書籍データ

『1976年のアントニオ猪木』

定価:1890円(税込)
ページ数:320ページ
判型:四六判上製カバー装
初版発行日:2007年3月15日
ISBNコ-ド:978-4-16-368960-9
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