第1回では、『キン肉マン』誕生秘話を。第2回では、『キン肉マン』をマニアックに掘り下げ、それぞれ語って貰った。そして、最終回となる今回は、リバイバル漫画の先駆け『キン肉マンII世』にみる原作者の苦悩と、決して変わることのない想いを聴いた。世の『キン肉マン』フリーク、“あの頃の少年達”へ贈る最後のメッセージ。
『キン肉マンII世』は出すべきかどうか悩んだ
リバイバル漫画「キン肉マンII」で今なお先頭を走り続ける嶋田先生 |
嶋田先生:あの頃の子供の王道『巨人の星』、『あしたのジョー』、『タイガーマスク』ですかねぇ。
ガイド:また、影響を受けた漫画家とは別に、先生の師という方はいらっしゃいましたか?
嶋田先生:それはいないんですよね。
ガイド:なるほど。今までのお話しから、先生独自のスタイルがキン肉マンブームを生み出したというのはよく分かりました。独自という意味では、キン肉マンII世が前例の少ないリバイバル漫画の先駆け的な存在となりました。
嶋田先生:最初はちょっと嫌だったんですよ。キン肉マンを(歳とって)ヨボヨボで登場させるのは。でも、そうしないとただのリバイバル漫画で終わってしまうし、やっぱり新しいドキドキした漫画にしなければいけないので、意識的にやったんですよね。
ガイド:確かにそれはとても感じました。テリーマンとか(他の超人は)は結構いい歳のとり方をしているのに、キン肉マンだけは対照的に年老いている。そこに先生の覚悟というか、腹をくくったなという気持ちの表れを感じます
嶋田先生:最初、「続編は絶対描かないぞ」って思っていたんですけどね。だからこそ、スグルをああするしかなかったんですよ。
ガイド:かつてのキン肉マンフリークと、新たな読者の狭間で、ターゲット設定はどのように考えられたのですか?
嶋田先生:新しい読者にII世を気に入ってもらわなければいけませんし、昔からの読者は旧作の超人が好きだったり……。バランスが難しいですよね。毎回考えながら闘っています。
ガイド:初代を知らない読者というのも大勢いる訳ですよね?
嶋田先生:でも、やっぱり当時の読者に分かってもらわないといけませんから、そのサービスとして当時はあまり活躍しなかった超人を全面的に出していこうということはしてますね。ブロッケンJrとかザ・ニンジャとか。そういうところをII世では拾っていく。