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荒鷲の不孝息子35年目の飛翔・坂口征夫(8)(3ページ目)

父はプロレスラー、弟は俳優。総合格闘家坂口征夫には、常に家族の威光が覆い被さる。35歳、ようやく遅すぎる開花を迎えた長男が、不良少年時代、夢の挫折、家族との確執…その壮絶な過去を語り始めた。

執筆者:井田 英登

大晦日は所選手とやってみたい

――で、今まさに、もう一回同じ展開として、より大きな舞台にという話になるんですが、ずばりいま大晦日の大舞台からオファーがあるということですが。

坂口「まあ今回も親のであり憲二の関係で呼ばれるんだろうってことは、当然言われると思うんですけど、それは自分の中でもよくわかってるんで。そう思った奴らに、“ざまあみろ”を言えるすばらしい試合をしてやろうと思ってます」

――大晦日といえば、やはりお祭り的なマッチメイクが中心になると思うんですが、あえて誰か戦ってみたい相手というのはありますか?

坂口「所選手とやりたいっすね。」

―― 相当思い入れがありそうですね

坂口征夫
 前田日明の抜擢をうけてHero'sで活躍した所英男。坂口との対決が実現すれば、新日本プロレスを源流とする二大プロレスラーの名代対決という構図も。一撃必殺の坂口のパンチvsサブミッション巧者の所。持ち味も対照的なだけに名勝負必至の組み合わせだが…。
坂口「彼もHero’sにあがり始めたときは、フリーター格闘家だとか言われて話題先行というか、正直どれだけできるんだ?みたいな目で見られながら、勝ち抜いてきた選手じゃないですか。今回の自分とすごく立場が似てる気がするんですよ」

―― クラスで言うと、目立たない地味な子に不良が喧嘩を売りに行ってるような気もしますけど(笑)

坂口「それじゃイジメじゃないすか(笑)。むちゃくちゃ強いっすよ、所選手は。実力的にも全然格上の相手だし。その意味では小学生のガキ大将が、大学生に喧嘩売ってるようなもんですよ。それぐらい生意気なことを言ってるのはわかってるんですけど。殴り込んでいく自分の立場だと、並の相手を当てられて勝った負けたを見せたいんじゃないんですよね。叩きつぶされるなら、徹底的に凹まされたいし。もし一発でもカマせるとしたら、それぐらい格上の相手じゃないと面白くないでしょ? お祭りなんだから、みんなドキドキしてくんなきゃ意味ないですから。それこそ “勇気のチカラ”を見せますよ(笑)」

―― 元喧嘩番長 vs フリーターの、“男祭り”ならぬ“喧嘩祭り”ですね(笑)

坂口「いや、冗談ぬきに所選手だったら、自分の引き出しを開けてくれるんじゃないかなとも思うんですよ。あのタイプは一回もやったことがない感じで、攻めれば攻めるほど、いろんなものが出てきそうじゃないですか。自分のタイプで言ったら、たぶん安廣選手との試合になると思うんですけど。あの試合を見てて、ちょっと試してみたいこともあるんで」

―― 具体的にはどういうことを?

坂口「それはいえないっす(笑)。所選手が俺のケンカを買ってくれたら、見せられると思います」
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