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荒鷲の不孝息子35年目の飛翔・坂口征夫(2)(2ページ目)

父はプロレスラー、弟は俳優。総合格闘家坂口征夫には、常に家族の威光が覆い被さる。35歳、ようやく遅すぎる開花を迎えた長男が、不良少年時代、夢の挫折、家族との確執…その壮絶な過去を語り始めた。

執筆者:井田 英登

半端じゃなかった父への反感

――世田谷ギャングっていうか。まあ当時マスコミでもさんざん取り上げられましたけど。まさかあの渦中にいた人が、格闘技の選手で登場してくるとは(笑)。でも当時プロレスラーになりたいっていう大きな理想もあって、一方でそういうグレちゃってちょっと道を踏み外しちゃってるところもあって。ちょっと矛盾もあったんじゃないかなとは思うんですが。そういう当時の自分って、今から振り返ってみるとどんな人間だったと思います?

坂口「今の自分がぱっと見ると、まあ根性もなかったし、考えかた自体が甘かったっていうのもありますね。結局それもオヤジのレールなんで。レスラーになるっていう道自体、自分で柔道やって努力はしてたのかもしれないですけど、その先行き着くところは、オヤジの引いたレールの上なんで。レールはイヤだイヤだって言いつつも、そこに半分甘えちゃってる自分もいたなって思いますね」

――じゃ、お父さんへの反感も半端じゃなかったでしょう?

坂口「すっごいありましたね。二十歳で家を飛び出したというか、就職したんですけども。就職活動してるときにも、とにかく寮がついてるか、一人暮らしできるところを前提にさがしてましたから」

――とにかく家を出るんだ、と。

坂口「ええ。だから二十歳で家を出て、ウチの長男が生まれるぐらいまで、帰ったのは年に一回ぐらいかな。金がなくなったときぐらいしか帰らなかったですね。だからもうあんまり口も聞きたくなかったですし。好き勝手やってたんで」

荒鷲の不孝息子35年目の飛翔・坂口征夫(3)に続く
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