■怪我が怖くて練習も出来なかった■
----こんどのDEEPでの試合は自然に体が動いたと。逆に十二月の修斗の試合は逆に堅かった気がしますね。リラックス出来てないというか。
「あの時は、練習も出来てなくて。堅いっていうか、力抜きすぎたっていうか(笑)全てが駄目でしたね」
----じゃあ、自分でも“アカンな”って感じがしてた?
「前日から体の出来がすっごく悪かったというか。前日風邪も引いちゃったんですけど、風邪引く以前に、もう体が全然動かなかったんで。今回はもうアカンやろうけど、一応頑張ってみるかって感じでしたね(笑)」
----やっぱり一回キャンセルして、チャンピオンシップを流したことから来るプレッシャーがそれだけ大きかったと言うことですかね?
「それが一番ですね。決まった試合をだめにして、それを散々回りに言われて。今度は何が何でも次は怪我でけへんし、試合だけはやらなアカンっていう気持ちでしたから。試合の前も怪我が怖くて追い込めなくって。いつも追い込んで、ココから追い込んだら強くなるっていうところで“強くなるか、怪我するか”どっちかみたいなトコでやってるのに、それが出来なくて100パーセントの試合は無理やろうなって、思ったんでね。最初から」
----オープニングの時に既に涙ぐんだりしてましたしね。もうこの試合を実現するということのためだけに自分を追い詰めちゃってたんですね。
「試合が出来る喜びもあったんですけど、もう負ける予感があったんでね(笑)応援しに来てくれてる人に悪いなという気持ちで一杯で」
----じゃあ、もうやる前に気持ちで負けちゃってたと。実際やってみた五味選手の印象はどうでした?
「ああ、こんなもんかって感じでしたね。だから今思ったら悔しいなと思ってね。もったいないなーって感じがして」
----具体的にはどんなところにチャンスがあったと思います?
「普段の試合やったら…もう普段通りに仕上げてたら、全然勝てる相手やと思うんでね」
----パンチとかも怖いとは思わなかった?
「それもなかったですねえ。普段通りやったら、一発ももらってなかった自信あるし」
----「アカンやろうな」という自分の予感に負けたって感じですか。おわってみてそんなに悔しいと思うなら、もう一回やってみたいって言う気持ちもある?
「それはもう。一回、引退するまでに絶対やりたいですね」
■実績をつくって五味を呼び寄せるしかない■
----大分当時と気分が変わってるみたいですね(笑)
「そうですね。やる前は雑誌とかでは『最後やから頑張る』みたいなこと言ってたんですけど、ホントは義務としてやるだけでって感じやったんでね。もう今はやりたくてたまらなくて。チャンピオンなんかはどうでもいいから五味を倒したいって」
----それを実現するためには、何か“権利”が要りますよね。
「あー(笑)…そうですね。僕は修斗側にも嫌われてるんで。今修斗でシャオリン倒しても、誰を倒してもやらしてもらえないと思うんでね。外で実績を作って、五味を呼び寄せるしかないと思ってるんですけどね」
----毎晩、五味選手のこと考えたら眠れないとか(笑)
「毎晩…ではないですけど(笑)たまにありますね」
----なんか新鮮やなあ。そんな“負けず嫌い”な三島選手初めてみましたよ(笑)
「ああ。僕もこんなん思ったん初めてなんで」
----12月やる前は「青春の思い出に」とかまるでヒトゴトみたいな事言ってたじゃないですか(笑)正直いって、タイトルマッチやる選手にしてはえらいショボイこと言うなあって思ってたんですけど(笑)
「そうですねえ」
----じゃあ、今は五味選手のことで頭が一杯ですか
「いや…まあ半分ぐらいは(笑)」
----実際その悔しさっていうのは“ホントなら勝てたのに”っていう気持ちか、“五味選手個人に対する感情”ですか?
「ちゃんとやったら勝てたのにっていうのが強いですかね。実力で負けたんやったら、諦めますけどね」
----でも、負けた直後はそんなこと言ってませんでしたっけ。負けても納得してるみたいな発言があったように思うんですけど
「あのときは、試合が出来たっていうだけでかなりうれしかったんでね。これで、修斗も終わったなって感じやったし。その後の五味の態度見てムカついてね。自分の中では実力では負けてなかったけど、自分の中では整理ついてたんですよ」
----これからはDEEPもあるし、修斗卒業式みたいな意味で捕らえてたわけですね。
「ええ、実力では負けてないから、これで自分ですっと納得して出ていけるわ、みたいな感じでね」