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日本プロ野球史上初のセ・パ交流戦を解説 「2005セ・パ交流戦の楽しみ方」(2ページ目)

日本プロ野球界「改革元年」の2005年、かねてからのファンの要望に応えてやっと実現されたセ・パ両リーグの交流戦。交流戦のルール・背景・見どころなどについて解説します。

執筆者:コモエスタ 坂本

交流戦がこうなったわけ


【試合数について】

2004年の球界再編騒動で、プロ野球機構側は新機軸を迫られました。そこでかねてからファンの要望の強かった交流戦実現となったわけです。単にカードを組めばいつでも実現できたじゃないか、実現が遅すぎたとの声がありますが、両リーグの利害が絡むので事は単純ではなかったのです。

利害は主に1試合1億円とも言われる巨人戦の放映権料に由来します。2004年までの巨人以外のセ・リーグチームにとって、主催試合の巨人戦は140割る5割る2の14試合ありました。単純計算で14億円の収入です。

これが2005年の場合、セ・リーグのシーズン全試合数は146試合です。うち36試合が交流戦なので、主催試合巨人戦は146引く36割る5割る2で11試合になります。単純計算で11億円の収入となり、3億円の減収となります。

ゆえにセ・リーグの巨人以外のチームから、この減収分を巡っての反対論が強かったというのがこれまでの経緯でした。しかし、野球人気そのものが揺さぶられている昨今、セ・リーグの球団経営陣がこれを譲歩して、球界再編と交流戦人気に賭けたと言えるでしょう。選手会側もかつては試合数増に反対ムードがありましたが、こちらも譲歩したと言えます。

【開催日程について】

放映権と主催試合の絡みで、ホーム&ビジター3連戦方式、かつ全チーム総当たりという方式が採用されました。2連戦案もあったらしいですが、移動が大変になるなどの理由で落ち着きのいい3連戦方式になったようです。

各チーム全36試合・6週間ですが、これを公式戦日程に組み込むには適当な時期はあまりありません。観客動員を多く見込める時期は、開幕~ゴールデンウィークまで・夏休み期間・ペナントレース大詰め~ポストシーズンですが、8月以降はそれぞれのリーグの優勝争いがはっきりしてくるため、交流戦日程が組みづらいということがあります。そこで
ゴールデンウィークが終わって梅雨時期までの、シーズンが中だるみし集客が落ちる時期を思い切って交流戦期間にしたものと思われます。

「交流戦の見どころ」に続く→
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