プロ野球コミッショナーについて
Q.根来コミッショナーがストを回避できなかった責任を取って辞意を表明しましたが、本当に辞めるのでしょうか。
A.本当に辞めると思います。球界再編問題という大激震の中でも、コミッショナーという名誉職的な椅子に座っていたかったのが基本だと思いますので、早々の辞任には裏があると思っていいでしょう。コミッショナーは、球団経営側の機関である「オーナー会議」「実行委員会」の傀儡であることはよく知られていますが、一連の球界再編論議の中で、常に経営側に立って強い姿勢を保ってきました。スト突入ギリギリのところで体裁を整えるためにいくつかのプランを出しましたが、それまでは事態の収拾に何ら尽力できませんでした。そして自らの辞任をスト回避のための最後のカードとして出してきましたが、これも蹴られました。
結局、根来氏の辞意表明はストの利益損失に対する経営側に向けた引責の意が強いと思われます。また、今後も続く球界混乱への責任回避という部分も大いにあるでしょう。今年2月に就任したばかりで、いきなり球界再編という激震に巻き込まれた立場や、協約上最も権限がある筈なのに、オーナー連に実権を持たされなかったという部分には同情できる部分もあります。それでもやはり選手会との協議中の辞意表明は無責任に感じますが、根来氏が退場した方が少しは流れがよくなると思うので、個人的には辞任に賛成です。
Q.根来コミッショナーはどういう人物ですか。
A.元東京高検検事長(検事総長に次ぐ検察のナンバー2)、公正取引委員長を務めた人物です。人間性についてはよく知りませんが、面白い記事を見かけました。
「住職資格得た 根来泰周さん」
根来氏は公正取引委員長時代に、内面的な充実を得るために仏門を叩いたそうです。記事の一部を引用します。
「法務省、検察庁にいる時こう考えた。地下鉄の車内で女の人に痴漢したい気持ちはだれにでもある。だけど(実行すれば)役所に迷惑をかけるという判断がある。それが反対動機で抑制している部分がある。ところが定年で役所の殻がなくなれば甲冑(かっちゅう)がとれて自制がなくなる恐れがあった。外殻が必要だと痛切に感じた」
だそうで、痴漢願望が強かったことを告白しています。
Q.後任のコミッショナーは誰になるでしょうか。
A.わかりません。歴代のコミッショナーは、KBO(韓国プロ野球委員会)総裁などと同様に、天下りした高級官僚が就任していますので、後任もその線で落ち着くでしょう。また緊急事態ですので、暫定的にセ・リーグまたはパ・リーグ会長が兼任することも考えられます。
個人的には、小池唯夫パ・リーグ会長、次いで豊蔵一セ・リーグ会長の可能性が高いと考えていますが、前例を考えると、当面は両リーグ会長がコミッショナー代行という形になるかと思います。
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