【PART1 選手会ストについて】
選手会ストの原因は? 今後のスト予定は? ペナントレースへの影響は?

【PART2 球団新規参入について】
新規参入はどうやって? ライブドアは? 楽天は? シダックスは?

【PART3 コミッショナーについて】
辞意表明の真相は? 根来氏はどういう人? 後任コミッショナーは?

※2004/09/21 12:00 一部修正

選手会ストについて

Q.プロ野球選手会のストの原因は何ですか?

A.オリックスと近鉄の合併による球団削減で、チーム数が12→11に減ることへの反対運動です。球団削減の本質は企業内のリストラと同様で、選手の職場が8%減少します。

Q.プロ野球選手会は労働組合なのですか?

A.プロ野球選手は会社員ではない個人事業主ですが、東京高裁によって労働組合と認められています。一般の労働組合と大きく違う点は、まず第一に組合員全員がいわば契約社員的な立場であることでしょう。

第二は、組合員間での給与格差が大きく、統一的な給与規定もないことです。組合員には、下は来年の継続雇用すら無保障で年俸数百万円の人から、上は複数年契約で年俸数億円の人までいます。

Q.球団削減により、プロ野球選手はどういう影響を受けますか?

A.まず、当該球団であるオリックス・近鉄からは、大量に選手があぶれます。他球団による救済も予定されていますし、一時的な選手枠の拡大もありますが、中期的には一球団分の失業者が出るということになります。今オフで解雇される選手も全球団で多数出ます。解雇のボーダーラインにいる2軍選手、また一部の高年俸選手がそれに相当するでしょう。

また、プロ野球選手全体で考えると、一軍ロースター25人枠分が減るなど、相対的に出場機会が減少します。さらに引退後の再就職先候補の一つである、コーチ・裏方等の球団スタッフ、球団職員という枠も一球団分なくなります。繰り返し書きますが、プロ野球選手・スタッフ・職員の雇用機会が8%減るということです。

Q.NPBと選手会側の争点は何ですか?

A.当面は12球団の存続問題です。オリックス・近鉄が合併を白紙撤回するか、来年度からの新規参入球団を認める筋道を日本野球機構(NPB)側が用意することです。その他の細かい条件もありますが、大きなものでは合併した場合の新球団のプロテクト(保有選手枠=25名)の撤廃などで、選手側の移籍の自由を求めたものです。

球団の新規参入に関しては、根来コミッショナーとNPB側が『新規加入球団審査委員会』と『プロ野球有識者会議』の設立を提案しましたが、プランの具体性に乏しく、また2006年度からという方向性を変更していないため、選手会側と折り合っていません。

今後のスト予定等

Q.ストはいつまで行われますか?

A.ストの予定は、9/18(土)、9/19(日)、9/25(土)、9/26(日)の4日間です。 9/18(土)のストは確定しましたが、9/19(日)のストも間違いないでしょう。9/18の一日で事態が急変することはないと思われるからです。もし9/24(金)までにNPB側と選手会側の折り合いがつくようであれば、9/25(土)、9/26(日)のストは回避されるでしょう。

Q.9/25と9/26のストは回避されますか?

A.わかりません。この両日は、パ・リーグの公式戦は全日程を終了しているので、決行の場合はセ・リーグだけのストとなります。選手の立場としてはセ・リーグ、パ・リーグ問わず古田会長率いる選手会執行部に協議を一任していますが、東京ドームの巨人-阪神戦という人気カードや二週連続となる横浜スタジアムのカードが中止になるなどの問題があり、できれば労使側ともにストは回避したいところです。

しかし、一週間で交渉の進展がさほどあるとも思えません。ストが回避されるのは、選手会側がNPB側のおざなりな提案を妥協し、前向きな継続審議を確約した場合でしょう。経営側の何らかの撤回(合併破棄等)はあるとは思えません。

Q.ストで中止になった分の再試合はありますか?

A.再試合は行わない可能性が高いと思われます。

Q.ストで中止になった試合チケットの払い戻しはありますか?

A.再試合が予定されない場合、払い戻されます。払い戻し期間が限定されますので、詳しくは各球団・球場にご確認ください。余談ですが、中止になった試合のチケット6万円相当がyahooオークションにかけられていて、無落札で終了しているのを見ました。落札していれば6万円近く稼げたものですが、逆に出品者は落札されずにラッキーだったと思います。

これと同様なことが、入場チケットを大量に持っている販売店等でも起こっています。普段ならばチケットショップに安く流すぐらいしか換金方法がありませんでしたが、今回の場合は正価で換金できるため、中止になったチケット集めに奔走しているという話も聞きます。

Q.10月以降のストの予定はありますか?

A.今シーズンはもうないと思われます。選手会が提唱していた「土日スト」ですが、10月に入ってからも継続するとなると、10/1(土)、10/2(日)はパ・リーグのプレーオフ第一ステージを放棄することになり、パ・リーグの優勝が正式に決まらないどころか、日本シリーズの開催も危うくなるからです。興行的にファン離れが深刻になるという点でも、選手会がストを選択することはないでしょう。

ストによる影響

Q.ストによって有利・不利になったチームはありますか。

A.パ・リーグでは西武-ダイエーの直接対決2連戦が中止になり、ダイエーの1位が自動的に決定しました。逆に西武-ダイエーの5ゲーム差を賭けた戦い(プレーオフ第二ステージでダイエーに1勝のアドバンテージが付く)では、若干ダイエーが不利になったかもしれません。現在4.5ゲーム差あるダイエーと西武ですが、残り試合数がそれぞれ3ずつと少なくなったためです。

一方、パ・リーグの3位争いでは、現在0.5ゲーム差のロッテ・日本ハムがそれぞれ残り試合2と4になり、いっそうもつれてきました。また、近鉄の3位はなくなりました。

セ・リーグでは、試合数が減った分、トップを走る中日の優勝が近くなりました。1・2位対決の中日-巨人戦が中止になり、巨人の逆転優勝がより苦しくなったようです。また、上位進出を目指す各チームも、試合数減少のおかげでチャンスが少なくなりました。

Q.ストによるペナントレースへの影響は?

A.各球団の順位や成績の他に、個人成績にも影響があります。全てのタイトル争いは、チャンスが少なくなった分だけ、現在上位の選手が有利になりました。また、累積的な記録では、数字を稼げるチャンスが減りました。

典型的な例が、広島の赤ゴジラこと嶋選手です。嶋選手は120試合終了時点で174安打を放っており、シーズン200安打やイチローの持つ日本記録210安打への挑戦が厳しくなりました。140試合ならば203本ペースでしたが、138試合では200本ちょうどのペースです。

Q.球団側が選手会に対して、スト損失分の損害賠償を請求するでしょうか?

A.請求はできますが、実際にする可能性は低めだと思います。と言うのは、訴訟になれば、経営側が損害賠償の根拠である興業収入・入場者数等を明確にしなければならず、その時点でこれまでの観客の水増し発表や不透明な会計が明るみに出てしまうからです。個人的には、損害賠償請求訴訟をやって欲しいと思っています。選手会側も痛みを被ることを避けないで欲しいし、また球団経営の透明化にも一歩前進となるからです。

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