J1、かつてないほどの混戦模様
一戦も落とせないJ終盤だが、一方でサッカーとしての「美」を忘れてほしくない |
残留争いも熾烈だ。J1は下位2チームが自動降格となるが、最下位(18位)の札幌はすでに降格が決定した。一方で、17位の千葉から12位の京都まで6チームが、勝ち点4差となっている。残り4試合で勝ち点12が動くから、ここから何が起きても不思議ではない。「目が離せない展開」という表現は、こういうシーズンにこそふさわしいだろう。
混戦の理由はいくつかある。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)に出場した鹿島、浦和、G大阪が、リーグ戦との掛け持ちで思わぬ苦戦を強いられてきたのは、混戦を招いた何よりの要因である。移動距離の長い中東などへの遠征が続くACLは、選手たちにとって相当な負担となるのだ。
2004年以降は常にトップ3をキープしてきたガンバが7位に沈んでいるのは、ACLで決勝戦まで進出したことと無関係でない。昨年2007年の同大会でJリーグ史上初のアジア制覇を成し遂げた浦和も、リーグ戦では終盤の失速で優勝を逃した。アジアNo.1への挑戦という名誉には、国内のライバルにアドバンテージを与えてしまうところがあるのだ。