クラブワールドカップのため、12月11日に来日予定のバルセロナ。今大会の優勝候補の筆頭として注目されるが、鍵を握るのはMFデコだろう。

ブラジルからポルトガルへ

インド出身の祖父を持つデコは、攻守に渡ってチームの要となっている。(CC)
“デコ”ことアンデルソン・ルイス・デ・ソウザは、ブラジルのサン・パウロ郊外に生まれた。ブラジル時代のデコは特に目立った存在ではなく、1997年、19歳の時にコリンチャンスからポルトガル・ベンフィカへ移籍する。

しかし、ベンフィカのフロントはデコの才能を高く評価しておらず、2部のアルベルサへとレンタルする。そこで彼は32試合で13ゴールの活躍を見せる。だがそれでもベンフィカはその次のシーズンもクラブに戻さず、今度はサルゲイロスに移籍させた。

そこでのプレーに目をつけたのはベンフィカのライバルFCポルトだった。1999年1月の移籍市場でデコを獲得することになる。

モウリーニョ監督とつかんだ栄冠

FCポルトに入団すると、すぐにその才能を開花させ、ファンはその華麗なボールタッチからデコを「マジコ(魔法使い)」と称賛した。

「ヌメロ・デス(背番号10)」をつけたデコは、天賦のプレイメーカーとしての役割以上に、守備的プレーに努力を惜しまなかった。そのためか、ゴールやアシスト以上にイエローカードの数も多かった。

2002年、監督に就任したジョゼ・モウリーニョは、デコを「間違いなくワールドクラスの選手だ」と見抜き、彼に司令塔としての役割を存分に与えた。

リーグ戦では30試合で10ゴールを挙げたが、その反面17枚のイエローカードと1枚のレッドカードももらった。しかし、チームは2003年、セルティックを3-2で破りUEFA杯を制する。

そして、翌2003-04シーズン、FCポルトはリーグタイトルを獲得するだけでなく、決勝でASモナコをデコの1ゴールを含む3-0で下し、チャンピオンズ・リーグのタイトル獲得に貢献し、UEFAシーズンMVPを獲得した。

ポルトガル代表として、母国と対戦

昨夏のツアーに引き続き来日のバルセロナはCL王者の貫禄を見せつけられるか
デコはブラジル代表に決して呼ばれることはなかった。そこで6年間の居住要件をクリアし、2002年、ポルトガル代表入りすることを決断する。世論の反対意見も多かったが、2003年3月29日、ポルトのホームでもあるエスタディオ・アンタスで代表デビューする。

相手は奇しくも自分が生まれ育ったブラジル。デコはわずか8分間の出場であったにもかかわらず、ゴールを決め、1966年W杯以来のポルトガルのブラジルからの勝利をもぎ取ったのである。

以降、ルイス・フィーゴら選手たちの批判に対し、スコラリ代表監督は、「私がデコを選ぶ理由は技術的なプレーの高さだけでなく、目的を達成するための決定力があるからだ。彼は必要な選手なのだ」とデコを代表レギュラーに定着させた。

その期待に違うことなく、デコは2004年欧州選手権準優勝。2006年ドイツW杯ではポルトガルを1966年以来の決勝トーナメント進出に導き、準決勝まで駒を進めた。

バルサの“バロメーター”

2004-05シーズンからバルセロナに移籍したデコは、2005-06シーズンは再びCLのビッグイヤーを獲得。ポルト時代に続いて2度目のUEFAベストMF賞も受賞した。現在、デコは「バロンドール」受賞者のルイス・フィーゴを抜いて、2度のチャンピオンズ・リーグ優勝などポルトガル最高のタイトルホルダーとなった。

「デコは無口だけど、みんなの話をよく聞いている」とチームメイトのリオネル・メッシが言うように、普段は物静かなこのバルサ唯一のポルトガル人選手は、チームにとって欠くことのできない存在となっている。

「デコはバルサのバロメーターだ。彼の調子は良ければチームのゲームの質が向上するし、コンディションが悪ければ、チームの全体のパフォーマンスが下がってしまう」とバルセロナのフランク・ライカールト監督はそうデコを評している。

誰かにぶつかると軌道が変わる「リフレクトミドル」など、確かに個人技だけをとってもデコは卓越している。だが、ロナウジーニョやエトーに供給するパスや、ときにはカードをもらうリスクをいとわず相手FWへのタックル。デコの真骨頂はやはりバルサの「屋台骨」を支えるひとつひとつのプレーにある。

横浜でも、この「最高のゲームメーカー」がボールを持ったら、その行方を見逃すことはできない。



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