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インザーギ、アッズーリの救世主なるか!?(2ページ目)

イタリアのサッカースキャンダルはとどまるところを知らず、連日の報道にW杯目前の代表の影はすっかり薄くなっている。だが、そんな中、ひそかな闘志を燃やすベテランFWの姿は国民の期待を一身に背負っている。

執筆者:斉藤 健仁

“スーペルピッポ”のゴールはアッズーリの危機を救うか!?(©Sandro額田)

インザーギは、パオロ・ロッシの再来になるか?

そんな中、唯一アッズーリに明るい話題を提供する選手がいる。今年33歳になるベテランFWのフィリッポ・インザーギだ。

1992-93シーズン、インザーギは、故郷のピアチェンツァでキャリアをスタートさせた。96-97年シーズンにアタランタで24得点を挙げ得点王に輝き、翌シーズン、ユヴェントスに加入。2000-01年シーズンからはACミランに移籍したが、ケガに苦しみ、2004年の欧州選手権で代表から落選。それ以後、代表のユニフォームに袖を通すことはなかった。

しかし、2006年、リーグ戦で復帰後すぐにゴールを決め、チャンピオンズリーグでも6試合で4得点と、決定機での勝負強さを見せた。この復活劇に「インザーギは終わった」と囁いた声も一転させ、イタリア版“サプライズ招集”でアッズーリに滑り込み、一躍代表の希望の星となった。

2002年日韓大会のときも、本番直前の負傷が響き、満足のいくパフォーマンスができなかったインザーギ。アッズーリに対する情熱は人並み以上なだけに、おそらく年齢的にも最後となる今大会に期するものは少なくないはず。

オフサイドが多く、「ダイバー」などと揶揄されることもあるが、ペナルティエリア内での嗅覚の鋭さ、存在感は正統派ストライカーそのもの。1982年スペイン大会で得点王とMVPを獲得し、イタリアを優勝に導いたパオロ・ロッシは「インザーギは私にもっとも似たFWだ。たとえ途中出場でも、みんなの期待通りゲームの流れを変えることができる。彼は常に集中していて、ペナルティエリアの一番良い場所へ潜り込んでいくんだ」と賞賛を送る。

失墜したカルチョの権威を取り戻すためには、ドイツの地でW杯を手にすることしかない。誰よりも誇りに感じてきた“青い”ユニフォームをまとったインザーギは、ロッシのように自らのゴールでイタリアに栄光をもたらし、胸に4つ目の星を輝かせることはできるだろうか――W杯での彼の活躍に期待したい。

<関連リンク>
スポーツナビ>W杯
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