MSCスペシャルを巻く
「MSCスペシャル」はフライフィッシングの第一人者、岩井渓一郎氏の得意パターンとして有名なフライ。メイフライ、ストーンフライ、カディスと日本に住むすべての水生昆虫の基本フォルムを含んでいる独特のフォルムがトラウトにアピールするタイプだ。作り方も簡単でしかも釣れるため、現在では日本のフィールドになくてはならないオーソドックスパターンになっている。カラーやサイズを複数用意しておくと、食い渋りの状況でも必ずヒットに持ち込めるはずだ。
マテリアルはご覧のとおり、今回紹介するMSCスペシャルのテールにはカラーバリエーションをつけやすいマラブーを使っている。その他、ラビットファー(うさぎの顔の毛)、リードワイヤー、それにカッパーワイヤーとなる。ワイヤーはカッパーのほかゴールドやシルバーなど何種類か用意しておこう。
先ほどのマラブーと同様にリードワイヤーとテールをつけたらカッパーワイヤーをボディー後端に巻きとめておく。このワイヤーはリブ(虫の腹の節)としての役目とボディー材を固定するのに使用するので長めにとっておこう。テールは短めでマラブーよりはグッと少量になる。
ラビットファーをスレッドによりつけ、アイに向かってキツク巻いていく。これはスレッド保護の役目をさせるためなので、少量を薄く均等に巻くこと。
次にフワーっとスレッドによりつけ、アイからテールへ、テールからアイへと往復させる。このときのボディー材の量とよりつけ方で仕上がりに差がでるので、何回も練習しておこう。最初のうちはワックスをスレッドに塗っておくのもひとつの方法だ。
カッパーワイヤーをアイ方向に強く絞るように巻いていく。一応、リブなので均等な間隔を持たせながら、3回転ぐらいでアイにくるよう調整すればオーケーだ。
カッパーワイヤーをアイの後端で巻きとめ余りをカットする。ワイヤーの先端が飛び出しているとラインブレイクしてしまうのでスレッドできっちりカバーしないといけない。巻く作業はこれで終わりなのでしっかりフィニッシュしておこう。
最後は整形作業だ。リブの隙間からラビットファーを掻き出す。専用の道具もあるが、最初はニードルでじっくり作業しよう。ニードルの先で表面を撫でるように後方へ移動させていくと徐々に毛羽立ってくるはず。あまり強く掻き出しているとスレッドが切れてしまうので注意だ。
MSCスペシャルは画像のように全体がフワーっとした感じが大切。長く飛び出したラビットファーは指でちぎればオーケーだ。最後にテールの量を調整して全体のフォルムを決めよう。
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