愛すべき"犯罪王"の語る
ユニークな手口の数々
"犯罪王"を自称する中年男カームジン。彼がカーシュに語ったユニークな手口とは? シリーズ全17編にボーナストラックを加えたファン必携の1冊。 |
2008年に刊行された『犯罪王カームジン』には(1936年から1962年にかけて書かれた)シリーズ全17編と2本の"ボーナストラック"が収められているが、ここで注目すべきは「あるいは世界一の大ぼら吹き」という副題だろう。全てが作り話かもしれないという解釈の余地を残しているのは、著者ならではのユーモアとウィットの反映にほかならない。ちなみに〈カームジン〉シリーズは『壜の中の手記』(晶文社版)に1話、『廃墟の歌声』に4話収められているが、本書との重複は性質上やむを得まい。ここは細かいことを気にせずに、愛すべき"犯罪王"との再会を喜ぶのが粋というものなのだ。
・【犯罪王カームジン あるいは世界一の大ぼら吹き】…「本棚の中の骸骨」内の『犯罪王カームジン』紹介ページです。